ストーリー

k.a
2026/01/26 07:25

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)と『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(2019年)は、私にとってホラー映画の新時代を切り開いた最高の2部作で、何度観ても背筋が凍り、でもどこか心温まる不思議な魅力がある作品です。スティーヴン・キングの原作を、現代的に大胆に再解釈したアンディ・ムスキエティ監督の傑作。子供時代(Part 1)と大人時代(Part 2)の2部構成で、ペニーワイズという究極の恐怖が、ただ怖いだけじゃなく「人間のトラウマと成長」を象徴してるんですよね。

Part 1(2017年)は、1950年代後半のデリーで、子供たち「ルーザーズ・クラブ」がペニーワイズに立ち向かう話。ビル(ジェイデン・マーテル)の弟ジョージーを失った喪失感から始まり、ベバリー(ソフィア・リリス)の虐待、リッチー(フィン・ウルフハード)のいじめ、スタン(ワイアット・オーレフ)の不安…それぞれのトラウマがペニーワイズの餌食になる描写が、もう容赦なくて怖い。でも、子供たちの友情がそれを乗り越える力になる過程が、すごく美しいんです。特に下水道での最終決戦、バルーンが浮かぶシーン、ペニーワイズの変身(特に巨大クモや血の噴水)は、ホラー史上に残る名場面。音楽も超不気味で、観てる間ずっと緊張が解けないのに、子供たちの掛け合いが笑えて、バランスが神がかってる。

Part 2(2019年)は27年後、大人になったルーザーズたちが再びデリーに戻り、ペニーワイズを完全に倒すための戦い。ビル(ジェームズ・マカヴォイ)、ベバリー(ジェシカ・チャステイン)、リッチー(ビル・ヘイダー)、マイク(アイザ・ムスタファ)、エディ(ジェームズ・ランソン)、スタン(アンディ・ビアーズ)、ベン(ジェイ・ライアン)…全員が大人になって、それぞれの人生の闇を抱えてる。ペニーワイズの恐怖が「過去のトラウマ」に直結してるから、Part 1より心理ホラー寄りで、死の儀式(Ritual of Chüd)やマイクの過去、ベバリーの夫のDV、リッチーの秘密の恋…全部が切なくて重い。でも、笑いの量もPart 1以上に多くて、ビル・ヘイダーのリッチーが神回すぎる。ペニーワイズ(ビル・スカルスガルド)の演技はPart 2でも最高で、顔の歪み方や声の使い方がゾッとするのに、どこか哀れさも感じて複雑。

2作通してのテーマは「恐怖は現実のトラウマから生まれるけど、友情と向き合うことで克服できる」ってところ。ラストの「This isn’t real, you’re just a clown」ってセリフは、観てるこっちまで解放されるカタルシスがすごいんですよね。ペニーワイズの最期も、派手だけどちゃんと象徴的で、完結感がある。

 

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