映画『ゾディアック』~未解決事件を追う3人の男たちの人生が狂い始めていく~
概要
『セブン』、『ソーシャル・ネットワーク』、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』などで知られる鬼才デヴィッド・フィンチャーが監督を務め、未だ解決に至っていない連続殺人事件を映画化した群像サスペンス。1968年から1974年にかけてアメリカで実際に起きた「ゾディアック」と名乗る殺人鬼が引き起こした連続殺人事件を追う刑事、新聞記者、風刺漫画家の男たち3人の姿が描き出されていく。映画『ブロークバック・マウンテン』のジェイク・ギレンホール、『アイアンマン』のロバート・ダウニー・ジュニア、『フォックス キャッチャー』のマーク・ラファロが出演した。

About the Movie
1960年代、アメリカ西海岸カリフォルニア州サンフランシスコ。
残忍な手口による殺人事件や傷害事件が相次いで発生した。やがて暗号文や事件の証拠品、犯行声明文が「ゾディアック」と名乗る殺人鬼によって送られてきた。
サンフランシスコ・クロニクルの新聞記者ポール・エイヴリー、風刺漫画家ロバート・グレイスミス、サンフランシスコ市警察の刑事デイヴ・トースキーはゾディアック事件を追っていく。
しかし、ゾディアック事件を追えば追うほどエイヴリー、グレイスミス、トースキー3人の男たちは自身の人生を静かにだが、確実に狂わされていくのであった。
映画評
映画『セブン』ではキリスト教が示す「7つの大罪」を模倣した猟奇的な連続殺人事件を追う2人の刑事の姿をダークでシャープな映像で描き出して観る者に恐怖と戦慄を与え、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』では80代の姿で生まれ、年齢を重ねるたびに若返っていく数奇な男の人生を描き出した鬼才と呼ばれる映画監督がデヴィッド・フィンチャー。そのフィンチャー監督が2002年公開の映画『パニック・ルーム』から5年の歳月を経て世に送り出した映画が『ゾディアック』である。
映画『ゾディアック』は、1968年から1974年にアメリカで実際に引き起こされ、人々を恐怖に陥れた「ゾディアック」と名乗る殺人鬼が引き起こした連続殺人事件を追う新聞記者、刑事、風刺漫画家3人の男たちが運命を狂わされていく姿を描いている。
映画『セブン』は重苦しく湿り気のある空気と気だるさを感じさせるが、映画『ゾディアック』は徹底して静かにストーリーが進んでいく。不快と思えるほど静かに絶望的なストーリーが展開していき、観る者に強い疲労感で覆っていく。
暗号文や殺人事件の証拠品を新聞社に送りつけてくる殺人鬼ゾディアックを追う刑事、新聞記者、風刺漫画家3人の人生が静かに、だが確実にじわりと狂わされていくのだ。筆者も公開時に映画館で2回も鑑賞した記憶があるほどで、確実にゾディアックにハマってしまった。
ゾディアックを追えば追うほど刑事、新聞記者、風刺漫画家3人は疲弊していき、その疲弊は映画を観る者に伝わってくるようだ。
結局、ゾディアックの正体は誰なのか? なぜ連続殺人を引き起こしたのか? スッキリとしないまま映画『ゾディアック』はエンディングを迎え、何とも言えないむなしさが残り、日常の世界へ戻ることを許さない。
映画『ゾディアック』に関するトリビア
映画『ゾディアック』でサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポール・エイヴリーを演じたロバート・ダウニー・ジュニアは映画『オッペンハイマー』でアカデミー助演男優賞を受賞した。
映画『ゾディアック』のDVDでは劇場公開版、ブルーレイでは劇場公開版に未公開シーンを追加したディレクターズカット版が収録されている。
連続殺人犯「ゾディアック」は映画『ダーティハリー』に登場する殺人犯「サソリ」のモデルと言われている。映画『ゾディアック』には『ダーティハリー』のワンシーンが登場している。
デヴィッド・フィンチャー監督と製作陣はゾディアック事件の膨大な資料を集め、事件を徹底的に調べ直した。保管されていた証拠や書類を再検証し、事件の被害者や関係者に取材した。また、新たな証拠を警察に提出した。
映画『ゾディアック』予告