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2025/07/23 21:33

ニーベルングの指環

ニーベルングの指環

製作国:ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカ、2004年 

監督・脚本 : ウーリー・エデル、VFXスーパーバイザー:フォルカー・エンゲル 

出演:クリスタナ・ローケン、ベンノ・フユルマン、アリシア・ウィット、サミュエル・ウエスト、

   マックス・フォン・シドー

ヨーロッパでは1500年前に人々の大半はキリスト教に改宗していった、しかし北欧の民は古くからの信仰を守っていた。最強の神オーディンは英雄の魂とワルハラ城に住み烏に知識と記憶を運ばしていた。時代と共に古き神々の力は徐々に弱まり不思議な物語が生まれ人々を魅了していった。この映画は「鍛冶職人が龍を倒し伝説の黄金を手に入れた物語である」との解説で映画は始まる。リヒャルト・ワーグナーの歌劇の下敷きになった北欧神話をベースにしたファンタジーアドベンチャードラマです。

王子のジークフリートは、両親の城が攻め滅ぼされた時、密かに川に流され逃がされる。下流の鍛冶職人のエイヴィン拾われ養子となるが、ショックの為かそれまでの記憶を失う。エリックと言う名で成長したジークフリートは、ある夜隕石が落ちるのを見てその現場に向かうとそこで女剣士で王女のブリュンヒルデを遭遇し、剣での戦いになりエリックが、ブリュンヒルデを制する。これまで負けなしだ

ったブリュンヒルデは、エリックに惹かれ2人は結ばれる

、翌朝隕石の中に有った、玉鋼を持ち帰ったエリックは、自身の過去に興味を持ち父エイヴィンと共に旅立つ決心をする。城下町に着いた2人は、王子達と出会い作った剣を献上し、隕石の鋼でエリックは自分の剣を作る。

王子の長男はドラゴンの下に眠るニーベルング族の宝を求め、兵を率いドラゴン退治に向かうが、大けがを負って帰って来る。見事な剣を作ったエリックは、一人ドラゴンと戦いに行き勝利、ドラゴンの返り血を浴びた事で剣で切ら

れない体になり、ニールング族の呪われた宝を手に入れる

。かつてジークフリートの両親の城が攻め滅ぼした兄弟が宝の話しを攻めて来たが軍勢がにらみ合う中エリックは一人で兄弟と戦い勝利する、その闘いの中で幼き日のジークフリートの記憶がよみがえる。

王の妹はジークフリートと結婚したいがために、ジークフリートに毒を飲ませ、ブリュンヒルデへの愛を忘れさせ、自分を愛するようにさせる。王は、ブリュンヒルデと結婚する為に変化頭巾で自分の姿になったジークフリートをブリュンヒルデと戦わせ、自分を倒した者と結婚すると言うブリュンヒルデの夫となる権利をだまし取る。しかし初夜のベットでは、ブリュンヒルデに力負けしてしまう。ブリュンヒルデの力の元となるベルトを、再度自分の姿に化けさせたジークフリートに強奪させる。王の目論見を知った王の妹は、ブリュンヒルデに全ての企みを告白しベルトを

返す。王は狩りの途中秘密を知るジークフリートを背後から唯一の弱点を突き殺害する。

ジークフリートの葬儀が行われ、遺体が乗せられた船に火矢がはなたれた。燃えさかる船の船底に隠れていたブリュンヒルデが、ジークフリートの剣で自らの胸を刺し貫き自害する。ラストはかなり悲劇。心から愛したブリュンヒルデのことを忘れてしまったまま死んでしまったジークフリートがあまりにも可哀想。そしてブリュンヒルデも……。

本来は長い物語ですが、なかなかコンパクトに集約して、映像的にも美しく壮大に描いているこのドラマは映画としても良い出来だと思います。映画の説明文には、『ブラッドレイン』のクリスタナ・ローケン主演、『インデペンデンス・デイ』のスタッフがVFXを手掛けたアクションアドベンチャー。中世暗黒ヨーロッパを舞台に、富と権力の象

徴である指環を手に入れた王位継承者・ジークフリートの闘いを描くとあります。ワーグナーの楽劇の第2日 『ジークフリート』を映画化した作品のようです。

本来の「ジークフリート」の内容は、

第1幕 - ジークフリートの育ての親であるミーメはジークフリートによって指環を手に入れようとたくらむ。ジークフリートは自らの出生の秘密を知り、折れたる剣ノートゥングを鍛えなおす。

第2幕 - 恐れを知らぬジークフリートは、竜に化身したファーフナーを倒し、その返り血により小鳥の言葉が分かるようになる。小鳥の教えにより、指環を手に入れ、陰謀をめぐらしていたミーメを倒し、さらには岩山に花嫁ブリュンヒルデが眠っていることを知る。
第3幕 - 荒涼たる岩山の麓。ジークフリートは道をさえぎる「さすらい人」(ヴォータン)の槍を砕き、炎を乗り越え、ついにブリュンヒルデを接吻により目覚めさせる。2人は永遠の愛を誓い合う。と言う事なので、映画の内容と大分違いますね。

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