DISCASレビュー

カッツ
2025/12/17 08:51

オペレーションワルキューレ

本作は、1944年7月20日に起きたヒトラー暗殺未遂と反ナチス・クーデター未遂事件を題材にしたテレビ映画である。物語は、暗殺計画の中心人物であったクラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐の視点から描かれ、歴史的事件を個人の葛藤と決断を通して再構成している。

シュタウフェンベルクの行動は、単なる権力闘争ではなく、ナチ体制への抵抗という強い意志に基づいている。その姿を追うことで、観客は「もし計画が成功していたら」という歴史の分岐点を想像せずにはいられない。テレビ映画として派手な演出は抑えられているが、その分、緊張感とリアリティが際立ち、史実の重みを感じさせる。

ドイツ公共放送が製作したという点も重要である。戦後60年を経てなお、この事件を映像化することは、歴史の記憶を継承し、ナチズムへの批判を改めて提示する試みといえるだろう。

歴史的事実を基盤にしながらも、シュタウフェンベルクという一人の人間の視点を通じて描かれることで、観る者に強い印象を残す作品である。

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