DISCASレビュー

カッツ
2025/12/02 07:34

ラヴレース

2013年にアメリカで制作された伝記映画で、伝説的なポルノ映画『ディープ・スロート』の主演女優リンダ・ラヴレースの半生を描いている。昭和後期、日本でも『ディープ・スロート』の宣伝は大きな話題となり、私自身は作品を観ていないものの、その社会的インパクトは記憶に残っている。

映画は、普通の家庭で育った少女リンダが、夫に唆されてポルノ女優となる過程を描く。わずか17日間の撮影で1250ドルしか得られなかったにもかかわらず、映画は世界的大ヒットとなり、6億ドルもの収益を上げる。その裏で彼女は夫の暴力に苦しみ、たった一度出演した作品によって世界的に有名になりながらも、数々のトラブルに巻き込まれていく。

鑑賞前は軽い青春コメディのような作品を想像していたが、実際にはかなりシリアスな内容であった。華やかな成功の影に潜む搾取や暴力、そして女性の尊厳をめぐる問題が浮き彫りにされ、単なる伝記映画を超えて社会的な問いを投げかける作品となっていた。

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