カッツ
2025/12/03 07:30
あげまん(1990年)
1990年公開、伊丹十三監督・脚本、主演は宮本信子。芸者上がりの女性ナヨコが、愛した男に不思議と幸運をもたらす「あげまん」として描かれ、彼女に翻弄される男たちの姿をユーモラスに映し出している。この映画をきっかけに、「あげまん」という言葉は当時の流行語となった。作品は、宮本信子の小唄の師匠の話を伊丹監督が聞いたことから着想を得て映画化されたという。
印象に残ったのは、宮本信子の上半身裸のシーンである。監督の妻である彼女がそのような場面を演じることに驚いた。彼女の胸が綺麗だったので、これは見せたくなるだろうなあと思ったが、後にそれが作り物であったと知り、伊丹監督の演出意図や映画的仕掛けに改めて感心した。作品全体は、男女の関係性や運命の不思議さを軽妙に描きながら、伊丹作品らしい社会風刺の要素も感じられる一本だった。
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