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2025/08/27 18:51

原子怪獣現わる

原子怪獣現わる

 1953年 アメリカ 劇場公開:1954年10月17日

スタッフ 監督:ユージン・ルーリー 製作: ジャック・ディーツ 、ハル・チェスター

     原作:レイ・ブラッドベリ 脚本:ルー・モーハイム 、 フレッド・フリーバーガー

     撮影:ジャック・ラッセル 特殊効果:レイ・ハリーハウゼン

キャスト ポール・クリスチャン、 セシル・ケラウェイ、 ポーラ・レイモンド、ケネス・トビー、

     リー・ヴァン・クリーフ、ドナルド・ウッズ、スティーヴ・ブロディ ほか

北極圏内の某地区で米軍の水爆実験が行われ、爆発後調査に行った若いトム・ネスピット教授(ポール・クリスチャン)は大雪崩に遭遇して危いところを救助隊に助けられた。ニューヨークの病院に収容されたトムは、奇妙な大怪獣を目撃したというが誰も信用しなかった。しかし、彼は原因不明の沈没をしたある漁船の生存者が怪物を見たという報道を聞き、古生物学者エルスン教授を訪れた。教授ははじめ相手にしなかったが女助手リー(ポーラ・レイモンド)がこの問題に興味を抱き、トムや漁師の目撃した怪物こそ約1億年前に棲息していた恐竜であることを確認した。エルスン教授も調査に乗り出した。その頃メイン州沿岸で燈台が倒壊するという怪事件が起こった。これを怪獣の仕業と信じたエルスン教授は自ら潜水球に入って海底に潜り、怪獣を発見した旨電話で報告した後、消息を絶った。

原作は1951年にレイ・ブラッドベリが執筆した短編小説『霧笛』であり、特撮部分をブラッドベリの親友でもあったレイ・ハリーハウゼンが担当している。プロデューサーのジャック・ディーツとハル・チェスターは、『キングコング』のヒットに影響を受け、そこから「核兵器の影響で突然変異を起こした巨大生物」という構想を膨らませていった。登場する巨大生物は、原作とは違いティラノサウルスをイメージしたデザインとなっている。一時期は怪獣が「放射能性の炎」を吐くことが検討されたものの予算の関係で却下されたが、サタデー・イブニング・ポストにはそのままデザインが掲載された。この能力が、後のゴジラの放射火炎/放射熱線に影響を与えたのではないかとする説もある。ハリーハウゼンも、2005年の『キング・コング』の公開に際したインタビューにて、日本のゴジラを盗作だと表現している。ハリーハウゼンは生前にゴジラを強く嫌悪していたとされており、着ぐるみによる撮影方法やゴジラのキャラクター自体を決して嫌ってはいなかったが、本作品との類似性だけでなく、東宝が『キング・コング』を強く意識してオブライエンのアイディアを利用したにもかかわらず、

師であるウィリス・オブライエンの顛末を含むハリーハウゼンが敬愛する『キング・コング』と『キングコング対ゴジラ』によって躍進した「ゴジラシリーズ(東宝)」の関係性がハリーハウゼンの「ゴジラ」への憎悪の最も大きな原因だったとも指摘されている。また作品的には、物語の大筋が1954年のゴジラとほぼ同じで、鳴き声までゴジラに似ています。初代ゴジラで有名な電線越しにゴジラを見上げる有名なシーンがありますが、それも本作でもあります。かなりパクっていますが、サメとタコの格闘シーンなどを延々と流したりと退屈な時間が長かったりして、映画としては日本の方がはるかに出来は良いです。

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