村松健太郎
2024/08/21 16:45
この内容で国民的大ヒット映画に!?~ソウルの春~
韓国映画のヒットの目安に観客動員1000万人というがあります。
今大体30本ぐらいあるのですが、人口が5000万人の韓国でこの動員数は破格の一言です。
25年前に『シュリ』が600万人の観客動員を記録して国家的な偉業と言われましたが、今やその倍を稼ぎ出す映画がいくつもある状態です。
今年もマ・ドンソクの大ヒットシリーズ『犯罪都市 PUNISHMENT』とチェ・ミンシクの『破墓パミョ』が1000万人映画になっていて驚かされるばかりです。
そんな中で日本で公開される直近の韓国1000万人映画が『ソウルの春』、昨年の韓国ナンバーワンヒット作品です。
一応、フィクションということになっていますが、実際に起きたことをベースにしていいて、知っている人が見れば何の話かは一目瞭然となっています。
1970年代に独裁的な大統領が暗殺され、一気に民主化が進むかと思われた韓国ですが、一部の軍閥がクーデターを画策し、新たな軍主導の政権樹立を目指すという筋書きは、朴正煕大統領暗殺から全斗煥による粛軍クーデターの事であることは間違いありません。
この映画の直後に『タクシー運転手』などで描かれた光州事件に繋がっていたりするので合わせて見るのも良いかと思います。
『新しき世界』『コクソン』『工作黒金星と呼ばれた男』のファン・ジョンミンと『私の頭の中の消しゴム』『グッド、バッド、ウィアード』のチョン・ウソンがW主演を務めていて、スター映画であるという側面もありますが、内容から見ればバリバリの社会派。これが国民的大ヒット作となる韓国の映画事情はとても興味深いところです。
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