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Yuji Abe
2025/12/02 20:06

『ナイトフラワー』- 北川景子が堕ちていく…。「7人に1人」の貧困を描く、涙と絶望の社会派ドラマ。

映画館のあちこちから、すすり泣く声が聞こえてくる。 それほどまでに、ヒリヒリと胸を焦がすような、あまりにも苦しい親子の物語でした。

 

映画『ナイトフラワー』は、現代社会が目を背けがちな「子供の貧困」という闇に、容赦なくスポットライトを当てた衝撃作です。

 

あらすじは 「7人に1人の子供がお腹いっぱい食べられない」と言われる現代日本。生活に困窮したシングルマザー(北川景子)は、愛する子供に食事を与えるため、決して手を染めてはいけない裏の商売(違法薬物の販売)に手を出してしまう。人を不幸にする薬で、子供の幸せを買う。その「負の連鎖」は、やがて親子の心を壊していく…。

 

北川景子の新境地。かつてない「苦しい役」に没入する

 

本作の主役・北川景子さんが、これほどまでに苦しく、泥臭い役を演じているのを初めて見ました。 子供にお腹いっぱいご飯を食べさせられない悔しさ、罪悪感、そして愛情。親としての痛切な叫びがスクリーンから溢れ出し、観ているこちらもいつの間にか物語に没入し、心が引き裂かれる思いでした。

 

飽食と貧困。「4食作って3食しか食べない」社会の矛盾

 

この映画が突きつけるのは、社会の残酷な矛盾です。 一方では食品ロスが出るほど豊かな食生活がありながら、もう一方では明日の食事にも困る家族がいる。この現実を目の当たりにし、「何とかしてあげたい」と心の底から思わずにはいられませんでした。

 

目を背けてはいけない現実がここにある

 

ハンカチ、いえ、タオルが必要なほど涙が止まらない映画です。 しかし、ただ悲しいだけでは終わらせてはいけません。このセンセーショナルな映画は、私たちができることは何か、社会を良くするきっかけとは何かを問いかけてきます。苦しいけれど、今、大人が見るべき必見の一作です。

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