Discover us

オススメ教えて!

椿五十郎 バッジ画像
2025/04/01 20:42

愛すべきヲタク道!スターウォーズ好き必見『ファンボーイズ』

皆さんこんにちは!

椿です

 

今月のお題は!!と言ってる間に今月が先月になっちまったが・・・!!

『90分以内でサクッと観られる!短くても満足感たっぷりの映画』

はい!すごくいいお題!!

ここ最近の映画ってめちゃくちゃ長くないですか?3時間越えとかって当たり前のようになってきています。まぁ、作り手が必要だと思うからそれだけ長くなってるんでしょうけれど、観ているこちらからすると「もっと詰められるんぢゃね?」って思う作品が、結構たくさんあるのも事実!

だって、世の中には90分以内でサクッと観られる、それでいて、ちゃんと満足できる映画っていっぱいあるんだもの!

短くまとめるのも才能だよね!!→と、自分に特大ブーメランがかえってきていることに気付いていない椿・・・(;^_^A

 

さて、そんな数ある90分以内映画で、椿がオススメするのはこの映画!!

 

『ファンボーイズ』

【作品データ】

◆監 督:カイル・ニューマン

◆脚 本:アーネスト・クライン、アダム・F・ゴールドバーグ

◆製 作:ケヴィン・スぺイシーほか

◆出 演:サム・ハンティントン、ダン・フォーグラー、ジェイ・バルチェル
     クリス・マークウェット、クリスティン・ベル、ダニー・トレホほか

◆カメオ出演:ビリー・ディ・ウィリアムズ、キャリー・フィッシャー、レイ・パーク
       ウィリアム・シャトナー

◆2008年製作 アメリカ映画

◆上映時間:90分


【ものがたり(うっすらネタバレ)】

時は1998年 スターウォーズ(以降SW)ファンが待ちに待ったSWの新作『エピソード1 ファントム・メナス』公開がいよいよ半年後となったころ・・

学生時代からの親友で大SWファン、いわゆる「ファンボーイズ」であるエリックと、その幼馴染ライナス、そしてハッチとウィンドウズは寝ても覚めてもSWのことばかり考え、喧嘩すら、推しのSWキャラのことだったり・・。しかし、高校卒業後、エリックは父親の経営する規模の大きな中古車販売グループに勤める。彼は漫画家への夢を抱いていたが諦め、仕事に集中するようになり、友人たちとも疎遠になり、彼らとの関係が微妙に。特に幼馴染だったライナスは、そんな心変わりした親友を嫌うようになっていた。

ある日、ハッチとウィンドウズがエリックのもとへ現れる。実はライナスが末期がんに侵され、余命いくばくもないという事実を聞かされる。それを知ったエリックはある地図をもってライナスのもとへ。
エリックが持って行った地図とは、子供の頃にライナスと書いたルーカスフィルムの本拠地「スカイウォーカーランチ」侵入のための計画を記した地図であった。余命を考えれば、彼の命は『ファントム・メナス』公開まで持たない・・それならばスカイウォーカーランチに侵入しファントム・メナスのフィルムを盗み出そう!と呼びかける。
はじめは現実的でない!と拒否していたライナスだったが、ウィンドウズがSWのファンチャットで知り合った女性ローグリーダーから手に入れたスカイウォーカーランチの内部地図が手に入ったことを知るとライナスも俄然やる気となり、ハッチのおんぼろ車で、男4人のアメリカ横断の旅に出る

その道中、SWファンにとっては天敵のスタートレックファン(トレッキー)の本拠地殴り込みをしたり、車が故障し、助けを求めに行ったところがヤバいゲイバーだったり、助けてもらった謎のオッサンから薬物をもらってラリってしまったり・・そしてスカイウォーカーランチ侵入に必要な情報を得ようとウィンドウズのチャット相手だった女性ローグリーダーが実は10歳の少女で、その叔父にぼこぼこにされたり・・どえらい珍道中。

(C)2006 The Weinstein Company, LLC. All Rights Reserved.


しかし、その叔父も筋金入りのファンボーイズで、彼からラスベガスにいるとある人物とコンタクトを取るよう指示される。そしてラスベガスに向かう彼ら。しかし、彼らの行くところ常にハプニング!スピード違反を振り切ろうとして結局捕まり、その際、ライナスが癌であるということをなぜかわかっていた謎のオッサンからもらった「痛み止め」としての薬物が発見されてしまい投獄されてしまう。その情報が入ったエリックの父親が顔を利かせて釈放するよう手はずを整え彼らは釈放。しかし、父親からは「すぐに戻って仕事をするか、さもなきゃクビだ」というメッセージが・・逡巡するエリックだったが、友情を取ると決心しベガスへ出発する。その際、4人を迎えに来たはずの友人でひそかにウィンドウズに恋心を抱いているゾーイも加わる。

ベガスに到着も、女癖が悪いハッチはウィンドウズを連れナンパに。あきれるゾーイ。そしてエリックとライナスは、なぜかそこで集会を開いていたトレッキー達に見つかってしまい逃げ隠れる。そこで、なんと!宿敵トレッキ―にとっては神様である、カーク船長役のウィリアム・シャトナーが二人の前に現れると、「スカイウォーカーランチ」のカードキー等を手渡す。接触しろと指示された人物とは、なんとシャートナーだったのだ(爆)

と、そこへトレッキ―達が追いかけてくる。逃げる二人!そしてハッチとウィンドウズもトラブルで逃げていた。ゾーイとも合流した5人はベガスから脱出を図るが、ここでもどじり、ライナスは車から落下・・。病院に担ぎ込まれたライナスだったが、その病院の女医に、ライナスの癌は進行しており、このまま旅を続けることはできない、と忠告される。やむなくライナスを連れ病院・・を脱走!スカイウォーカーランチへ到着する!
果たして彼らはスカイウォーカーランチへ侵入することができるのか!?そして映画を無事盗み出すことができるのか!?ライナスはファントム・メナスを見ることができるのか!?


「夢」と「好き」を追い続ける

SWが好きすぎて堪らないいい大人が、死期が迫った友人の為(そして自分たちも見たいため)スカイウォーカーランチに忍び込んで映画のフィルムを盗み出そう!なんていう、中学生が考えそうなことを実行してしまう純粋?なオッサンたちの友情と珍道中を描いたロードムービー(爆)

やっていることはくっだらないし幼いのだけど、「好き」なものに常にエネルギーをかけて追い求めるその姿、SWを語り合ったら一晩中しゃべってるんじゃないかと思わせるファンぶりは、SWに限らなくとも「何か」に夢中になったことのある御仁ならば共感できるのではないでしょうか
今ではSWが供給過多になり過ぎて、この時代ほどの熱狂はないのかもしれないのですが、15年ぶりの新作が出る!と発表された時のファンのフィーバーぶりたるや想像を絶するものがありました。大なり小なりSWが好き!と思っている人はみんな熱狂したのではないでしょうか

(C)2006 The Weinstein Company, LLC. All Rights Reserved.

入院し、これ以上の旅は続けさせられないという女医の言葉をライナスに伝える際のセリフが面白いです。

ウィンドウズ「たかが映画だよ」

ライナス「ダメだ!せっかくここまで来たのに!」

エリック「確かに普通の人にはただの映画だよ でも、俺たちは違う!普通の人がバケツかぶってベイダーごっこするか?ライトセーバー作ろうと思って眉毛を燃やすか?右手を「レイア姫」と呼ぶか?実際にやったやつは?そうさ!僕ら全員やってる!」

ハッチ「ビョーキだ」

エリック「夢をかなえようじゃないか!何があっても進むんだ!」

ウィンドウズ「俺も!」

ハッチ「俺は両手がレイア姫だ!」

と言って男4人、がっちりと友情を確かめ合う、というシーンがあるのですが、普通の人ならなんだかついてゆけない内容でしょうが、この4人にとってはSWがおたがいの絆を強く結びつけているものであり、SWの話をすれば、仲間同士の心を理解できて、次への生き甲斐と精神力につながるのですね。「好きなものが」に熱狂することは、それがヲタクと言われようが、子供っぽいといわれようが、自分たちが生きる上で非常に尊いものであること、そしてそこで結ばれた友情も何よりも代えがたいものであることを、この映画は教えてくれます


筋金入りのヲタク

本作は脚本家アーネスト・クラインがまだ素人時代に書いた『ファントム・メナス』の制作発表があ

▲ケヴィン・スぺイシー
(C)2007 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

ったきっかけで書いた同人誌用の脚本が元ネタ。それがネットに公開され、それを見た名優ケヴィン・スぺイシーの目に留まり、彼が製作を買って出て本格的な映画として作られることになりました。

このアーネスト・クラインは自他ともに認める「筋金入りのヲタク」として知られ、スティーブン・スピルバーグ監督によるヲタク感満載の大ヒット映画『レディ・プレイヤー1』の原作にあたる小説『ゲームウォーズ』を執筆。映画化の際にその小説の権利を売り渡すと、その金で『バックトゥザフューチャー』でおなじみの「デロリアンDMC-12」を購入したり、日本のヲタクカルチャーにも造詣が深く、『ゲームウォーズ』ではかつてテレビで放送されていた特撮ドラマである日本製『スパイダーマン』に出てくるロボットや、ガンダム、ゲームなどを登場させたりしていました。確かに『レディ・プレイヤー1』でも多くの日本キャラが登場していましたね!

随所に渡るスターウォーズ愛

本作はSWファンがSWファンのために作ったSW愛の映画です。
そのため随所にSWをリスペクトしたパロディが挿入されています。しかし、それは単なるパロディに終わらないで、ファンたちが、そうそう!!と頷いてしまうような、口うるさいファンにも好評の、愛すべき作品となっているのです。

あの俳優たちが出演!

本作にはSWで主要キャストを演じていた俳優たちがカメオ出演してファンを喜ばせています。

まず、ハン・ソロの旧友だったランド・カルリシアンを演じた、ビリー・ディ・ウィリアムスが裁判所の判事を演じました。そして、ライナスが運ばれる病院の女医にはレイア・オーガナ(レイア姫)を演じたキャリー・フィッシャーが扮しました。キャリーの登場には多くのファンが喜んだといわれています。5人が病院を脱出する際、キャリーは止めようとせず、痛み止めの薬をライナスに渡すと、彼がキャリーにキスをして「愛してる」と告げると、キャリーが「知ってる」と応じるシーンは完全にEp5『帝国の逆襲』でハン・ソロが冷却装置にかけさせられる前に、レイアとキスするシーンのパロディですね(笑)
そして、この映画内ではまだ公開前のEp1『ファントム・メナス』で、強烈な印象を残したシスの暗黒卿卿 ダース・モールを演じたレイ・パークがスカイウォーカーランチの警備員役で出演。警棒の二刀流でダース・モールのような華麗な動きを見せてくれます。

そして、5人のヲタクをスカイウォーカーランチに導いたのが、『スタートレック」の主人公カーク提督を長いこと演じてきたウィリアム・シャトナーが演じ、SWファンがびっくり!!なんとSWファンの味方をしてるんですね。その証拠に、スタートレックを馬鹿にされたと怒り狂うトレッキー達がファンボーイズを追いかけてくると、ファンであるはずの彼らに背を向けてシャトナーも一緒に逃げちゃったり(笑)


パロディなんかでも面白い場面がたくさん出てきます。
Ep4『新たなる希望』で出てくる、ルーク、ハン・ソロ、レイア、チューバッカが帝国軍に追い回されかろうじてダクトを通ってゴミ捨て場に堕ちるシーンがあるのですが、このゴミ捨て場の壁がうご

(C)2006 The Weinstein Company, LLC. All Rights Reserved.

きだし、右の壁と左の壁がだんだん迫ってきて危うくプレス状態になる⁉というシーンがあるのですが、本作でも追われてきた5人が、逃げてダクトに避難。しかし、そのダクトにはゴミ廃棄場につながっており・・、そのゴミ捨て場が、あのシーンのあのごみ捨て場だ!と一同大興奮するも、壁にぺちゃんこにされる!!と大騒ぎしたり、「ハリソン・フォード」は名優かそうでないか論争が映画内で行われた際、「ハリソンが出た映画はみんな名作だ!駄作は一つもない!」と言ってるそばに『6デイズ/7ナイツ』の特大看板がでかでかあったり・・・(『6デイズ/7ナイツ』はハリソン主演のアクション映画。このギャグの意味が分かっていただけたら、作品が駄作かどうかお判りいただけるかと・・・)

そして、映画のラスト。いよいよ『ファントム・メナス』が公開される、その初日。映画館の前には徹夜で並んでいるファンたちにまじり、ファンボーイズの面々もコスプレしながら待っています。そして劇場に入る。もう、上映前から劇場内は割れんばかりの大騒ぎ。
そして20世紀フォックスファンファーレがとどろくと劇場内みんな立ち上がって雄たけび揚げるは、大歓声大拍手!日本とは映画の見方が全然違いますね!なんかこう、わくわくを体で表現するというか。。日本ではワクワクを内に秘める感じですもんね。どっちの鑑賞が楽しいんだろう(笑)
いよいよ始まるという時、エリックが

「あのさ・・・駄作だったらどうする?」

呆然とするハックとウィンドウズ・・・

 

そうなんです!この空気感(爆)

実は『ファントム・メナス』公開時、SW界隈では本作が駄作である!論争が激しかったのです。これまでSWトリロジーでシリーズにはまり大いに期待していた古株ファンたちから総スカンを喰らわれたのです・・。今でこそ、『ファントム・メナス』から始まるEp2、Ep3を含めたSWプリクエルは、その後作られたEp7~Ep9の惨状も相まって名作の誉れ高いものとなっておりますが、公開当時は擁護する声の方がすくなかったと思います。

そんな当時の状況を収めたドキュメント作品があります。

『ピープルVSジョージ・ルーカス』

『ファントム・メナス』が登場する前、ルーカスは過去作(Ep4~6)を追加シーンを挿入したり音楽を差し替えたりと、いろいろ手を加えて「特別篇」として公開。オリジナルを何度も見て楽しんできたファンは、改変された作品を見て激怒!そして満を持して公開された『ファントム・メナス』を見たファンはとうとう怒りが爆発!その批判が大きくルーカスに向いたのです。映画とは作者のものかのか?それとも何度も愛でてきて思い入れの強くなったファンのものなのか・・・
それを問いかける意味でも、ある意味深いドキュメンタリーとなっています。

私は、完全にピープル側なので、ここで描かれるファンの気持ちがよくわかるのですがっ

こんな映画ができる位、当時のSW界隈は大変でした。そんな空気感を『ファンボーイズ』の中で残したかったと思われる、最後のセリフ。なかなかイカしてますっ


出演者は生きのよい若い俳優が多く出ておりますが、その中でも、出演シーンが少ないながら女友達ゾーイを演じたクリスティン・ベルが非常にチャーミングで魅力的。主役は4人の男子なので、本当出番が多くはないので、キャリアの初期の頃の作品なのかな?と思っていたら、彼女の出世作のテレビ番組『ヴェロニカ・マーズ』でもう主演を果たしている時の作品なんですよね。その後『アナと雪の女王』でアナを演じたりと大活躍。とても分かります(笑)


日本の上映運動

本作、実は日本で劇場公開される予定がありませんでした。しかし、「非常に面白い!」という情報が入り、日本のSWファンたちが是非劇場公開してほしい!!!と署名運動まで起き、その声に押される形で2010年4月に劇場公開が実現!翌月には(なんと!)TSUTAYAで独占DVDレンタルが開始されましたっ


映画を地で行く事件

そしてもうひとつ。本作のようなことが実際に起きました

Ep7『フォースの覚醒』が上映される数か月前、がんで余命2か月を宣告されていた男性が『フォースの覚醒』が見たかったとSNSに投稿したところ、監督のJ・J・エイブラムズの尽力により、公開1か月前に、その彼のためだけに映画を見せたのです。そして感謝しながら、その男性は数日後に息を引き取ったそうです。男性は7月に余命2か月と宣告されても、映画を観ることができた11月まで頑張って生きていたそうです。どうしても、SWを見たい!その希望が彼を頑張らせていたのですね。映画の力、本当に素晴らしいものです


そんなわけで、SW好きであればマストアイテム!映画好きの人、特に「ヲタク」になるくらい、何かに夢中になっている方には是非見てほしい、サクッと観られるコメディをご紹介いたしましたっ

コメントする
1 件の返信 (新着順)
Black Cherry
2025/04/01 22:53

「ファンボーイズ」リストに追加しました👍
うっすらネタバレを拝見する限りでももう面白そうーという予感がいっぱいです✨ 私、オタクではなくてフワっと?でもそれまでのスターウォーズをみていた感じで、1998年当時、やはり多少の興奮をもって映画館へ足を運んだひとりでした😊


椿五十郎 バッジ画像
2025/04/03 14:09

Black Cherryさん
コメントありがとうございます!
『ファンボーイズ』リストに加えていただきましたか!!嬉しいですっ!
Black Cherryさんもスターウォーズ、映画館でご覧になられたのですねっ
それならば、楽しんでいただけると思います!SWをよく知らない方でも、映画好き、何か推しを持っているというような方なら、すごく共感できるおバカムービーだと思いますっ
是非、ご覧いただいて感想お聞かせくださいっ