Discover us

取材・イベント

はじめ バッジ画像
2024/05/28 15:19

【SINGULA】堤幸彦監督最新作 spi単独インタビュー前篇 / 「俺にできるか分からないっす」

(C)「SINGULA」film partners 2023

Summary
監督・堤幸彦 新作映画『SINGULA(シンギュラ)』AI vs AIのディベートバトルロイヤル。近年Chat GPTの登場など急激にAIが注目される中、AI同士が討論したらどうなるのか?15体の人間そっくりのAIアンドロイド同士が「人類を破壊するべきかどうか」という究極のディベートを繰り広げる本作の主演spiにその思いを聞いた。(取材・文 / 中谷 元)


――本作のオファーがあった際の心境を教えてください。台本を見て、泣き崩れたという記事も読みました。

spi:堤監督のファンなので、一緒に仕事ができるのであればなんでもいいです!みたいなところはありまして、二つ返事でやりますと言いました。
 

――堤幸彦監督の好きな作品は何ですか?

spi:『TRICK -トリック-』が大好きでしたね。『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』も、『池袋ウエストゲートパーク』も好きです。世代だったので、それらを撮ってる人と一緒に仕事できて、しかも映画かつ主演で、1人15役もさせていただけるということで、この上なく嬉しかったです。

(C)「SINGULA」film partners 2023

――実際、台本を読んだ時の時の印象は?
spi:事前に本作の舞台を観ていました。舞台を見ていて”何をやるか・どういう話でどうなっていくのか”は、なんとなくわかっていました。しかし、台詞を英語にした時にTOEICや英検一級クラスの英単語で、しかも口語ではない。AIが喋っているからなのか、口語じゃないとてつもなく難しい文法がいっぱい出てきて。これを丸暗記するの無理だとなりましたね。しかも一人でやらなきゃいけない、15役全て。誰かと会話している中で返事をすればいいっていう問題じゃないというか、議論なので。一言間違えたら話がおかしくなってしまう。それを理解した瞬間に泣き崩れましたね。俺にはできないなと思って。

――台詞を話す相手も、受け取るのも自分ですよね。関西弁などの方言のような会話をする部分もあったので、まさにその部分が難しいところだと理解しました。ちなみに、本作に演じる時に堤監督から指導やアドバイスはありましたか?
spi:少しだけ。「俺にできるか分からないっす」というのは、先に弱音をしっかり吐かせていただきました。やると言っていたもの少しへこたれていましたが、堤監督は「大丈夫、大丈夫。コツコツやれば、なんとかなるから。最悪ボイスオーバーを取ってなんとかする」と安心させてくれましたね。役作りは一日もらい、全部任せて頂きました。

――堤監督の以前の記事の中には、「とてつもないものを作ってしまった」というコメント見ました。
spi:編集自体はシステム自体、1人15役全て合成するので無茶苦茶ですから。こんなの見たことないです。

(C)「SINGULA」film partners 2023

 ――今回15役を演じる際に意識していたことはありますか?AIなので、ロボットのような機械的な心情を持つとか。
spi:セリフが全てAIのようでした。いかに人間っぽくしようとしても、AIが人間っぽくしようとしているようにしか見えないというか。そもそもフィクションなので、限りなく人間に近いAIも存在するはずで、ロボットっぽいAIもいていいと思うので、あまり制限をつけなかったですね。そのキャラクターが一目見て、なんとなく「これさっきのあいつだ」というのがわかるように、身体的な特徴は全員につけましたけど。心情的なものは俳優術の話になるので、その器さえ作っちゃえば無意識が働いてくれます。それに任せられるか、任せられないか。(後篇へ続く)

タイトル:SINGULA
出演:spi
監督:堤幸彦
脚本・原案:「SINGULA」⼀ノ瀬京介
主題歌:「イフ」r-906 feat. 初⾳ミク
配給:ティ・ジョイ
5/10(金)より新宿バルト9ほか全国公開

コメントする