大魔神逆襲
大魔神逆襲
1966年 大映 劇場公開:1966年12月10日
スタッフ 監督:森一生(本編)、黒田義之(特撮) 脚本:吉田哲郎 製作:永田雅一
企画:奥田久司 音楽:伊福部昭 撮影:森田富士郎、今井ひろし 編集:谷口登司夫
キャスト 二宮秀樹、堀井晋次、飯塚真英、長友宗之、山下洵一郎、北林谷栄、早川雄三、仲村隆、
安部徹、名和宏、守田学、堀北幸夫、玉置一恵、浜田雄史、石原須磨男、南部彰三 ほか
荒川飛騨守の命令で地獄谷での武器作りに狩り出された瓜生の村人たちは、隙あらば逃げ出そうとしていたが、木樵りの三平は捕えられて殺された。救出しようにも、崇りを恐れられている魔神の山を越えねばならず、しかも飛騨守の軍勢が警護を固めている。そんな時、四人の少年、金太鶴吉、大作、杉松は地獄谷に向った。魔神の山の崇りを説く老婆をふり切り、地崩れを切り抜けて四人が頂上に着いた時、そこには、意外に優しい顔立ちの武神像があった。そして、その上の空には、神のお使い番といわれる大鷹が舞っていた。だが、地獄谷に向った四人は飛騨守の兵に追われて激流を下ったが、まず、金太が流れに呑まれ、杉松、大作も奥山の深い雪の中で気を失った。少年たちを追う兵たちは、しかし、突然現われた大鷹に喉を食い破られ、鶴吉は助かったが、大鷹もまた、瀕死の兵の一弾に、雪を紅く染めて死んだ。その鷹を葬った鶴吉は、魔神の崇りに触れたと思い、断崖から身を躍らせた。

魔神は本作では雪の魔神として雪の中から現れ、最後には粉雪となって消えていく。雪から現れるシーンは、13時間を費やして撮られた。また、魔神が腰に帯びた宝剣を初めて抜いた作品でもある。雪山のロケは立山で行われたが、撮影済みのフィルムに現像時のミスで傷が付いてしまい、急遽再度のロケを行っている。枯れ木の並ぶ山中のロケは、大台ヶ原で行われた。大魔神の造形は、『ウルトラQ』『ウルトラマン』の怪獣造形を担当した高山良策が手がけていて、実物大の魔神は、製作費500万円(当時)と3か月の日数をかけて製作された。三部作すべてで大魔神役を務めたのは、プロ野球選手出身の橋本力である。撮影は粉塵が飛び交うものだったが、橋本はカメラが回っている間は、決して瞬きをしなかったという。作曲を担当した伊福部昭は、「魔神といっても神様ですから、神々しいイメージでいたところ、映像を見たら、青黒い顔に血走った目玉がギョロギョロ動いて睨みつけるというものだったので、さあこれはえらいことになったと、驚きながら作曲しました」と語っている。
余談ですが、現存する大魔神像は大映京都撮影所に保管されていましたが、1986年にガレージキット・フィギュアメーカーの海洋堂が100万円で引き取っている。