DISCASレビュー

「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」（2021）は、村瀬修功監督によるアニメ映画で、富野由悠季の同名小説を原作とした「UC NexT 0100」プロジェクトの一作。宇宙世紀U.C.0105、「ラプラス事変」から12年後、反地球連邦組織「マフティー」を率いるハサウェイ・ノア（小野賢章）が、Ξ（クスィー）ガンダムで連邦政府と戦う物語。地球環境の腐敗と階級格差への反抗がテーマで、ギギ・アンダルシア（上田麗奈）やケネス・スレッグ（諏訪部順一）との人間ドラマが深みを加える。緻密なモビルスーツ戦と現代的なCGアニメーション、澤野弘之の壮大な音楽が圧巻。原作の暗い哲学性を継承しつつ、アクションと政治劇が融合。ガンダムファン必見の、新時代の宇宙世紀を描く野心作。