1961年5月2日、帆船アルバトロス号が「白い嵐」によって沈没した実際の事件をもとに描かれた作品である。物語は、キューバ危機の緊張が続くカリブ海を航海する練習船アルバトロス号を舞台に、少年たちが船長に反発しながらも友情と団結を通して成長していく姿を描いている。実話を背景にしているため、彼らの葛藤や絆がより切実に伝わってくる。
広大な海原を帆船が進む場面は雄大で心を揺さぶり、クライマックスで嵐に呑み込まれる瞬間は息をのむ迫力がある。青春の儚さと海の厳しさが交錯するこの作品は、観る者に深い余韻を残す。