DISCASレビュー

京介 バッジ画像
2026/01/01 17:17

透明人間(1933)

透明人間(1933)

 1933年 アメリカ

スタッフ 監督:ジェームズ・ホエール 製作:カール・レムリ・Jr 原作:H・G・ウェルズ 「透

     明人間」 1897年 脚本:R・C・シェリフ、フィリップ・ワイリー 撮影:アーサー・エ

     ディソン 特撮:ジョン・フルトン 美術:チャールズ・ホール

キャスト クロード・レインズ、グロリア・スチュアート、ウィリアム・ハリガン、ウナ・オコナー、

     E・E・クライヴ、ダドリー・ディッグス、ドワイト・フライ、ヘンリー・トラヴァース

      、フォレスター・ハーベイ、ドナルド・スチュアート、マール・トッテナム、ジョン・ピ

     ーター・リッチモンド ほか

青年化学者ジャック・グリフィンは、クレンリイ博士の下に同僚センプと共に研究に没頭した。クレンリイ博士の愛嬢フロラはグリフィンを愛したが、ケンプは彼女をグリフィンから自分の手に入れようとし、とかく反目するのだった。しかるに突然グリフィンの姿は博士の研究室から消えた。一方、イギリスの小寒村イリングの村に吹雪の日現われた奇怪な紳士があった。彼はその怪異な姿と乱暴な振る舞いで村人の噂の種となった。この振る舞いに腹を据えかねた旅館の主人は彼を追いだそうとして警官をよんだ。怒った怪紳士は突然自分の来ている衣服を脱ぎ始めた。

1930年代の映画の中で最も偉大なユニバーサル・ホラーの映画の1つに数えられており、透明人間のアイデアを使っておきながら、ウェルズの原作とはかけ離れたスピンオフが量産された。本作は(人体を透明にする薬品の開発に成功した科学者が、それを自らに投与し透明になり、凶暴化して世界征服を企てようとする話)だが、スケールの大きなことを言う割に、やっていることはチンケな犯罪ばかり。ごく普通の人々に多大な迷惑をかけて不愉快にし、自分の思い通りにならないとみるやキレて殺してしまうという程度で志が低く悪の美学がない。傲慢から凶暴、暴君と化して、必要もない殺人を次々として高笑い。しまいには意味不明に列車を脱線させて崖から落とし、100人の命を奪っていた。ちなみに原作のグリフィンは世界征服なぞ考えておらず、ただただ実に個人的な科学者としての野心を満たそうとして実験を行ったところ、浅はかにも先々のことを予測する想像力が欠落していたために様々な災難に見舞われて後悔し、なんとか元の体に戻ろうとあがくが、上手くいかなくてどんどん自分勝手になっていくと言う話で世界征服なんて微塵も考えていない子供向け空想科学小説といった趣きであった。

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1 件の返信 (新着順)
さっちゃん
2026/01/01 22:19

 あ、これも映画会のお題です。
 先に『狼男』にコメントを書いたときに映画会の説明ができておりませんでした。そこで、かいつまんで説明すると、最初はある女性のレビューに読書会ならぬ映画会の希望が書かれ、そのレビュアーさんと知り合いだったLOQさんから私も含めて数人に参加の打診があり、最初、男性3人、女性2人で始まり、その後、新規参加、退会などを経て現在、LOQさんともう一人の男性レビュアーさん、そして私の3人で交代でお題候補を提案し、その中から一作、お題を決めて月一で投稿、コメントを書き合っているということなのです。
 説明が少し長くなってしまいましたが、主演のクロード・レインズは最後の最後に少しだけ顔が見える以外には素顔はまったく見えないにもかかわらず配役を受けたのは、自分の演技にそれなりに自信があり、ブレイクのきっかけにしようとしていたんでしょうか。そういえば、このあと『狼男』で主人公の父親という重要な役を演じてますよね。そのほかにも『スミス都へ行く』、『カサブランカ』、戦後の『失われた世界』などにも重要な役柄で出演してますね。
 トリックは戦前という時代を考えると包帯の下に肉体がないことをうまく描いてました。特にラストが雪の中での逃走と追跡という環境なのは透明人間にとっては皮肉でした。グリフィンの顔が次第に現れる場面は印象的でした。
 原作からのグリフィンの性格の改変は京介さんが書かれているとおりですね。


京介 バッジ画像
2026/01/02 08:44

前置きは無しに、
劇中ではほとんど顔が見えませんでしたが、レインズはとてもいい顔をしてますね。
生い立ちや人生に不幸や苦労があったにも関わらず、幼少期から舞台に立ったことで
役者としての技量や風格に恵まれたのだと思います。
アメリカ巡業を経て本格的な映画俳優としてのキャリアがスタートする訳ですが、
その後の活躍は素晴らしいですね。
自分は、レインズの出演作はあまり見ていませんが、『失われた世界』での
博士は記憶しています。