カッツ
2025/11/25 07:35
マルサの女
1987年、伊丹十三監督、主演:宮本信子・山﨑努・津川雅彦)、国税局査察部(通称マルサ)が脱税を摘発する姿を描いた社会派ドラマである。伊丹監督は、前作『お葬式』の大ヒットで得た収益を税務署に持っていかれた経験から着想を得て、本作を制作したと言われている。主演には妻の宮本信子を起用し、脱税を企む者たちと、それを追う査察官の攻防をユーモラスかつ緊張感あふれるタッチで描いた。
公開当時、この作品は大きな話題を呼び、伊丹十三が監督として確固たる地位を築くきっかけとなった。父・伊丹万作が名監督として知られていたが、伊丹十三自身もこの作品で「大監督」として認められるようになったと言える。
物語は、悪知恵を働かせて脱税を試みる人々と、それを執念深く追い詰めるマルサの姿を描き出す。社会の裏側を覗き見るような面白さがあり、娯楽性と批評性を兼ね備えた作品だった。
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