【ネタバレあり】幸せはそこにあり誰もがつかめることを教えてくれる作品「パーフェクトデイズ:PERFECT DAYS」
こんにちは!
そぜです。
『映画×旅』をキーワードに
国内・海外問わずテーマを決めて
世界中の世界遺産と映画ロケ地を巡るのをライフワークにしています。
もう明日はクリスマス、2023年も残すところ1週間ですね。
師走は本当に駆け抜ける感じで、そろそろ今年観た映画を振り返る方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
かくいう私もぼちぼち2023映画個人的ランキングを整理しようとしていたところでしたが
ここに来て一気に第4コーナーを駆け抜けて来た超ダークホースが表れました!
その作品はコチラ。
- 製作年:2023年
- 製作国:日本
- 上映時間:124分
- 監督:ヴィム・ヴェンダース
- 受賞作:カンヌ国際映画祭 男優賞「役所広司」
いやー、名前の通り完璧な映画でした。
人生とは筋書きのないドラマ。 逆に誰でも主人公になれる。
ある一人の日本人の人生のスナップショットを無駄な誇張・演出無く、
外国人の監督がここまでリアリティーに表現できることに 心から敬意を表したいです。
【あらすじ】
東京渋谷の公衆トイレリノベーションプロジェクト THE TOKYO TOILET の専門清掃員として
働く平山(役所広司)は スカイツリーが見える古アパートで一人暮らし。
完璧主義(Perfectionism)でいつも規則正しい日々を送っている。
早朝、近所の竹ぼうきの音で目を覚ます。
布団を部屋の隅に畳み、 昨夜寝落ちる前に読んでいた文庫本の区切りを確認して
歯を磨き髭を剃りハサミで髭を整える。
趣味と思われる苗木に水をやり、 玄関にある棚に並べられた貴重品を順番にとって
ドアをあけてあくびと共に空を見上げる。
駐車場の自動販売機から缶コーヒーを買い青い軽に乗り込む。
出発前に缶を開け一気に喉に流し込み、 車と共に自分にもエンジンをかける。
そして出発の音楽をカセットテープから選んで どこか気分良さげに仕事へ向かう。
晴れた日の昼食は決まって神社の境内のベンチへ。
コンビニのサンドイッチと牛乳を頬張り
木々から射し込む木漏れ日を眺めながらフィルムカメラで感覚的に写真を撮る。
仕事を終え帰宅すると自転車に乗り換え、 開店一番で銭湯へ。
帰りはいつもの居酒屋でハイレモンで晩酌して帰宅後は寝落ちするまで本を読む。
そして翌朝、近所の竹ぼうきの音で目を覚ます。
彼が過ごす日々は一見同じことの繰り返しだが 周りのユニークな人々に振り回されながら
少しずつ、確かに彼の日常も変化していく。
同じ日はひとつもないかのように。
彼は日々小さな幸せをかみしめて生きている。
【みどころ】
何故私は号泣したのだろうか。
ただ一人の寡黙な男の生活を 俯瞰的に垣間見てるだけなのに。
もうはじめから涙腺がやばかった。
そして挿入歌でルーリードの”Perfect Days”が流れた時は もう涙が止まらなかった。
自問しながら原因を辿っていくと、ひとつ言えるのは、 彼は“善い人”だということだ。
寡黙な中にも自分の信念やルールがあり決して曲げない。
出会う人々の良い所を見つけ出し、心の中で讃える。
木々と陽の光が織りなす木漏れ日に感動し 日々の暮らしに感謝の気持ちを持って生きている。
そのあまりに丁寧な暮らしと無垢な感情に心を打たれたのかもしれない。
最近成功と幸せの定義について学ぶ機会があった。
『成功』は目に見える客観的なもの
『幸せ』は目に見えない主観的なもの
人生を豊かにするためには まずは二つをきちんと分ける 。
その上で我々が最初に目指すべきはどちらか。
平山は周りから嘲笑され、なんと見られようとも
小さな幸せを常に探し出して自分に昇華できていた。
つまり彼は常に”幸せ”だった。
そして幸せは伝染する。
調子が良く、適当に生きているが幼馴染のでらちゃんとの友情もありどこか憎めないタカシ
初めてのカセットレコーダーの音に感動するアヤ
仕事中に度々出会ういつも陽の光に向けて手を掲げるホームレス
毎回「お疲れ様~」と声を掛けてくれる居酒屋の大賞
的確過ぎる一言講評を述べてくれる古本屋の女性オーナー
週末のおばんざい屋で気持ちひいき目で観てくれる女将とそれを羨む常連さんetc.
彼の周りはユニークな人達が多いが、 みな平山と良い距離の関係を築いているし
出会ってた人もどこか彼との会話は嬉しそうだ。
この他愛もない一日が彼にとって完璧な日であり、その連続が
This is Perfect DAYS.
本作は誰もが日常から幸せを感じとれる事を静かに教えてくれる。
幸せは自分のさじ加減で大きくも小さくもなるし、遠くも近くもなる。
まずは日々の小さな幸せを重ねて自分が幸せになること。
自分が幸せでいると、周りに幸せを与えれるし、そうなっていく。
作品の中の木漏れ日を感じに 是非映画館の暗闇の大画面から観てほしい。
役所広司は本当に平山だった。
カンヌで19年振りの日本人男優賞を獲った 最高の“自然体”を見届けてほしい。
ラストの夕焼けを前に運転する顔だけ長回しは本当にすごかったよ。
師走の忙しいこのタイミングでこの作品に出会えて本当に良かった。
この”ZEN MOVIE"を観て気持ち穏やかにクリスマスと年を迎えることができそうです。
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投稿を表示ぼくはこの映画について、共感できる人がいて本当に嬉しく思いました☺️
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