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2025/07/30 20:30

モスラ(1961)

モスラ(1961)

 1961年 東宝 劇場公開:1961年7月30日

スタッフ 監督:本多猪四郎 脚本:関沢新一 製作:田中友幸 原作:中村真一郎、福永武彦、
     堀田善衛 製作総指揮:清水雅 音楽:古関裕而 特技監督:円谷英二

キャスト フランキー堺、香川京子、小泉博、ザ・ピーナッツ(伊藤エミ・伊藤ユミ)、平田昭彦、     

     ジェリー伊藤、上原謙、志村喬、河津清三郎、佐原健二、小杉義男、田島義文、中村哲、

     三島耕、田山雅充、山本廉、加藤春哉、広瀬正一、渋谷英男、ジョニイ・ユセフ ほか

南太平洋を航行中の第二玄洋丸は、突発的に発生したA型台風にまこまれて沈没した。船員のうち四人が、放射能の墓場といわれたロリシカ国の水爆実験海域のインファント島で奇跡的に救助され、帰国した。が、意外にも四人は放射汚染症状が全く見られなかった。日東新聞の社会部記者・福田善一郎は、女カメラマンの花村を連れて、核センターに原田原子力博士を訪ねた。船員の一人から無人島と思われたインファント島に原住民が生きていること、さらに原住民が飲ませてくれた赤い汁により、放射能障害はおろか普通以上の体力を取り戻せたことを聞き出した。日本、ロリシカ両国政府の申合わせでインファント島調査隊が結成された。日本側からは原田博士を副隊長に、言語学者中条信一ら有能な学者が参加した。上陸し、密林へ一人入った中条は、毒々しい色彩の吸血植物に襲われた。身長三十センチの小人の美女が彼を救った。小美人の歌うメロディに、中条は「島を荒らさないでほしい」の意味を読みとった。帰国した調査隊は、調査内容を一切発表しなかった。調査隊の事務係だったネルソンが、悪徳興行師としての正体を現わし、再びインファント島に上陸、小美人たちを奪うと、高い入場料で公開した。

東宝がゴジラ、ラドンに続く怪獣キャラクターとして注力した、製作費に2億円(当時)をかけた日米合作の大作特撮映画。本作で初めて登場した怪獣モスラは、その後も多くの作品で活躍し、ゴジラ、ラドンと並び「東宝三大怪獣」と称される。

田中友幸プロデューサーによると、本作の企画原案は、制作の半年ほど前に森岩雄から「怪獣が暴れまわる映画も結構だけど、女性も観られる怪獣映画というのはどうだろう、すごく可愛らしい美人を出すんだよ」と持ちかけられたのがきっかけという。ここから「小美人」の設定が生まれ、田中は文芸員だった椎野英之のつてで中村真一郎を紹介され、中村と福永武彦、堀田善衛の三者に原作を依頼。こうして公開に先駆けて週刊朝日で『発光妖精とモスラ』が掲載された。田中は本作を「ゴジラ」、「空の大怪獣ラドン」と並んで「出来のいい怪獣映画」と自負している。

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