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生誕90年 よみがえる田宮二郎2025  レジェンドに思い

田宮二郎生誕90年企画が神保町シアターで開催されてました。

わては東京にいないので行けなかったのですが、

CS衛星劇場でも特集があったので一か月だけ視聴しました。

©神保町シアター

            「怒れ毒蛇 目撃者を消せ」(1974年)

「撃たれる前に撃て!」(1976年)


犯人逮捕には容赦なき手段で挑む小村刑事、通称コブラと呼ばれその非情な行動に犯人たちにコブラと言う名前で恐れられて、警察、検察内でも問題児として扱われる一匹狼ならぬ毒蛇を田宮二郎が演じます。ダーティーハリーを模したキャラですが、シリーズ2本が製作されました。

 

監督の井上梅次はプログラムピクチャーの大御所で娯楽映画一本鎗、多数の作品を演出し、テレビドラマも多く手掛け、かの有名な2時間ドラマ「江戸川乱歩の美女シリーズ」の監督でもあります。こちらの主演が天知茂で、田宮とともに大映時代のスターで「犬」シリーズでコンビを組んでいます。ともにニヒルでクールな二枚目ながら関西弁を話せて、主戦場をテレビで移したふたりでした。

井上監督は2作とも本人の脚本でこれがまた複雑な人間関係を描き、その巨悪追及にいろんな人物が影に隠れています。またカメラワークもカットのつなぎ、アングルなど退屈しないようにした監督の工夫を感じます。ストーリーがなかなかスリリングなんです。「目撃者を消せ」の背景は次作「撃たれる前に撃て」へ反映され、コブラに怨みをもつキャラクターが登場します。井上監督の構成は2時間ドランに先駆けて、実にわかりやすく展開する運びになってます。

 

共演は山本陽子で噂になった関係ですが、設定がふたりのゴシップを感じさせる役柄になってます。と言っても二人はテレビドラマで何度も共演しておりました。

 

激しいカーチェイスなどアクションシーンが盛り込まれ、コブラ刑事が現場へ向かう車の運転がおったまげるような横入り運転で、警察が見たらアウトの描写です。

 

娯楽に徹した井上監督ですから、お色気シーンも挿入され、「撃たれる前に撃て」では、東京エマニエル夫人・田口久美、田淵幸一夫人・ジャネット八田の美肌が拝めます。

製作期は邦画どん底時代で松竹としては慣れぬアクション、バイオレンス映画なのですが、

プログラムに間に合わせのテキトー作品ではなく、かなり凝った出来です。

 

2本目で閉じたってことは反響はそこまでなかったんでしょう。しかしながら丹念に作った作品で時代にうずもれてしまったあだ花ではありました。

 

 

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