カッツ
2026/01/03 07:45
忍びの者 追悼 藤村志保
1962年/山本薩夫監督
山本薩夫監督、市川雷蔵、藤村志保主演の1962年作品『忍びの者』は、いわば“忍者映画の元祖”とも言える一本である。中学生の頃に観て、その完成度の高さに驚いた記憶があるが、今回およそ60年ぶりにDVDで見直してみても、当時の衝撃がよみがえった。
もちろん、今の目で見ると稚拙に感じる部分や、物語の流れにやや無理を感じるところもある。しかし、忍者が織田信長の命を狙うという大胆な設定は今見ても魅力的で、物語をぐいぐい引っ張っていく力がある。
忍者といえば猿飛佐助のイメージが強いが、本作では石川五右衛門という“大泥棒”として知られる人物の名を忍者として用いている点が面白い。また、百地三太夫という棟梁が、他の砦の忍者たちと競わせるという設定もユニークで、忍者集団の内部構造や緊張感がよく描かれている。
時代劇としての迫力と、忍者映画としての新鮮さが同居した作品であり、今見ても十分に楽しめる一本だった。
今年亡くなった藤村志保が、若く可憐である。
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