まるで別もののサイバーテロクライムサスペンス『スマホを落としただけなのに 〜最終章〜 ファイナル ハッキング ゲーム』
■スマホを落としただけなのに 〜最終章〜 ファイナル ハッキング ゲーム
《作品データ》
志駕晃原作で中田秀夫監督が手掛けた新感覚のサイコスリラー『スマホを落としただけなのに』の第3弾!連続殺人犯として刑事の加賀谷学によって逮捕された浦野善治だが、刑務所内からサイバー攻撃で警察内が混乱している間に脱獄する。一方、加賀谷は内閣官房サイバーセキュリティー室に出向し、室長の窪田の元で働いている時に、サイバーテロのアラートが鳴り始める事件が起きる。浦野善治役を成田凌、加賀谷学役を千葉雄大が演じ、他クォン・ウンビ、大谷亮平、白石麻衣、井浦新、佐野史郎、真飛聖、利重剛、猪塚健太、髙石あかり、田中圭、原田泰造が出演。
・2024年11月1日(金)より、TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー!
・上映時間:116分
・配給:東宝
【スタッフ】
監督:中田秀夫/脚本:大石哲也
【キャスト】
成田凌、千葉雄大、ォン・ウンビ、大谷亮平、白石麻衣、井浦新、佐野史郎、真飛聖、利重剛、猪塚健太、髙石あかり
公式HP:https://sumaho-movie.jp/
〈『スマホを落としただけなのに 〜最終章〜 ファイナル ハッキング ゲーム』レビュー〉
中田秀夫監督にとっては『リング』シリーズに並ぶヒット作になる『スマホを落としただけなのに』シリーズ最新作『スマホを落としただけなのに 〜最終章〜 ファイナル ハッキング ゲーム』。連続殺人鬼の浦野がサイバーテロリストにジョブチェンジしたこともあって1作目からかなりかけ離れた作りではあるが、これはこれでありかなとも思える。
要はスマホハッキング&連続殺人鬼の浦野が韓国に高飛びしてサイバーテロリストになって、日韓政府を脅かす、といった内容になってる。一応、原作は小説「スマホを落としただけなのに」シリーズ3作目の「スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス」でおおまかには浦野&韓国のテロ組織ムグンファによるサイバーテロに対して内閣官房サイバーセキュリティー室にいる加賀谷(小説版は桐野良一)が対抗する流れは変わらないが、サイバーテロの攻撃先が原作の東京オリンピックから日韓首脳会談に変わっている。そこを再現するのは予算的に厳しかったことは予想出来るが、2022年に日本を震撼させた某テロ事件を彷彿させる上手いアレンジだと思える。
こうした連続殺人鬼によるサイバーテロと、浦野と韓国のテロ組織ムグンファの奇妙な関わり、浦野を監視するエージェントのスミンとの色有りのやり取りなど、中田秀夫版『スマホを落としただけなのに』シリーズの韓国シリーズとしても楽しめる。
対する内閣官房サイバーセキュリティー室のピリピリしたムードも悪くない。真飛聖が演じる加賀谷の上司の窪田のいやにツンツンした女上司っぷりも吉田羊みたいで目につく。
しかしながら、『スマホを落としただけなのに』らしさは非常に薄くなってしまった。それそのものシーンもあるにはあるがとってつけたような感じだし、もうわざわざやらなくてもよかったかも。
ラストに関しては序盤に伏線があったので驚きというよりは納得。要は『スマホを落としただけなのに』シリーズでありながら、ほぼ別もののクライムサスペンスと見ればこれはこれとなるかな。割り切るしかないかな。