DISCASレビュー

カッツ
2025/10/30 07:34

隠し砦の三悪人

1958年公開、黒澤明監督・三船敏郎主演によるモノクロ映画『隠し砦の三悪人』は、戦国時代を舞台にした痛快な活劇である。
敗戦した侍大将が、世継ぎの姫と軍用金を守りながら、2人の百姓を従えて敵陣を突破していく姿が描かれる。物語は緊張感とユーモアが絶妙に交錯し、テンポよく展開していく。
日本の風景でありながら、まるで西部劇のようなダイナミックな映像が続き、黒澤監督ならではのスケールの大きさと演出力に圧倒される。
雪姫を演じた上原美佐は、演技に硬さが見られるものの、それがかえって姫としての気高さや緊張感を際立たせており、この作品の空気に不思議とよく馴染んでいた。彼女はこの作品以外ではあまり見かけないが、印象に残る存在感だった。

コメントする