DISCASレビュー

k.a
2025/07/09 07:32

ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団

映画『ナチス・ゾンビ 吸血機甲師団』(1980年、ジャン・ローラン監督、ハワード・ヴァーノン主演、原題:Zombie Lake)は、フランス・スペイン合作の低予算ホラー。第二次世界大戦中、村人に殺され湖に沈められたナチス兵がゾンビとなって復活し、村人を襲う。緑色のチープなメイクのゾンビが湖から這い出し、女性を襲うシーンが繰り返されるが、テンポは緩慢で緊張感に欠ける。監督のジェス・フランコが降板し、急遽ローランが引き受けた逸話は有名。唯一の感動要素は、ゾンビ兵の一人が生前の娘と再会し守ろうとする親子愛だが、雑な演出で効果は薄い。エロ描写に力が入る一方、ホラーや戦争要素は中途半端で、B級映画ファンの間でも賛否両論。カルト的な笑いと脱力感を楽しむ向きには一見の価値ありだが、ゾンビ映画の傑作を期待すると肩透かしを食らう。

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