昔は良さが分からなかった映画「サイン」
今回、淀川嘘治が紹介する映画は、
メル・ギブソン主演の「サイン(2002年)」です。
監督は、「シックス・センス(どんでん返し!)」「アンブレイカブル(変な映画!)」「ヴィレッジ(これもお気に入り!)」「ヴィジット(気持ち悪い!)」「オールド(悪乗りが過ぎる!)」「ノック 終末の訪問者(評判悪いが面白いぞ!)」のM・ナイト・シャマランで、今やすっかり世界的な名優となったホアキン・フェニックスが主人公の弟役で出演しています。
正直に言うと、公開当時は「・・・何だこのつまらない映画は!?」という感想を抱いた本作でしたが、約20年が経過した2回目の鑑賞でこの作品の真価を思い知ることになりました。
これは、シャマランの作家性が遺憾なく発揮された「大・傑・作」です!
シャマランの代表作は「シックス・センス」ではありません。間違いなく本作です!
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メルギブ扮する主人公は元・牧師の農夫で、ホアキン扮する弟と2人の子供の4人で農場であるトウモロコシ畑の中に建つ家で静かに暮らしています。
主人公は交通事故で最愛の妻を失って以来、神への信仰を失い、どこか覇気のない惰性的な生活を送っていましたが、そんなある日、トウモロコシ畑の真ん中に「ミステリーサークル」が出現します。
それに伴い、近隣で目撃される不審な影が頻発するようになり、彼と家族の周辺にもその脅威が忍び寄ってきます。果たして、主人公は謎の存在から家族を守ることが出来るのか・・・?
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本作を一言で言い表すと、シャマラン流の“ピタゴラスイッチ”映画ということになるでしょうか。
作品の随所に散りばめられた些細な事象(これがタイトルの由来)が、ラストで見事に明確な意味を持って結実することになります。
注:ラストに向けて「何が」「どのように」回収されていくかがこの作品の醍醐味となるので、勿論ここでは語りません。ご自身の目で確かめて下さい。
そして、この出来事をきっかけに、主人公は自身がずっと神に守られていたことを悟り、再び牧師への復職を果たし物語は幕を閉じます。
本作は、侵略ものでもヒューマンドラマでもなく、スピリチュアルを描いた作品です。
ウィキペディアのストーリー欄には、「エイリアンが侵略に来たサインが各地で現れる」みたいな紹介文になっていますが、あれは完全に見当違いですので信用しないで下さい(笑)
霊性が高まってきていると言われる昨今なら、この作品に感銘を受ける方も多いのでは?