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私の好きな映画

そぜシネマ
2024/01/12 00:11

『僕らの世界が交わるまで』:本当に救うべき世界とは何か

こんにちは!


そぜです。

 

『映画×旅』をキーワードに独自の切り口で表現しています。

 

 

 

 

今回紹介したいのはコチラ。

 

 

 

『僕らの世界が交わるまで』

When You Finish Saving the World

© 2022 SAVING THE WORLD LLC. All Rights Reserved.
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
  • 製作年:2022年
  • 製作国:アメリカ
  • 上映時間:88分
  • 監督:ジェシー・アイゼンバーグ

 

 

突然ですがポスター左下に注目です!
もはや安心安定のオモロー品質マークみたいな感じになりつつある”A24”
皆さんはもうご存じですよね?

 

黒人男性の同性愛ものに果敢に挑戦した『ムーンライト
夜が来ない明るすぎるホラーで社会現象を起こした『ミッドサマー
メタバースが日常にあふれる世界を魅せてくれ、ついに新興会社が天下(オスカー)を獲った
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。

 

どれも彼らが新進気鋭の若手監督や才能あるクリエイターを発掘し、彼らの創造性を信じ、
全権を与える攻めのアプローチ手法で様々な「トガッた作品」を世に送り出してきた彼ら。

 

 

そんなA24が贈る最新作は身近に居そうなごく普通の一家族の物語です。

 

 

社会奉仕に情熱を燃やす母親エヴリンをジュリアン・ムーア、
ソーシャルメディアでのライブ配信で人気の高校生ジギーをフィン・ウォルフハードが演じています。

© 2022 SAVING THE WORLD LLC. All Rights Reserved.

 

【あらすじ】

エヴリンはDVシェルターを運営し、他者のために尽くす毎日。
しかし、一番近い存在の家族とのコミュニケーションがおろそかになっていることに気づく

 

ジギーは自作の曲で投げ銭ライブを繰り返す毎日。
自分のフォロワーとの交流に没頭し、2万ものフォロワーを抱えているも
家庭では孤独感を抱えている。

 

エヴリンとジギーは、お互いの異なる価値観から生まれる距離感に悩んでいるが、

それを正面から解決しようとせず、別な形・人に情熱を注ぎ解決しようとするも上手くいかない。

 

しかし、その経験がお互いを見つめ直し、世界を覗くことで結果的に求めている事は同じ世界なのだと理解することができ、家族としての絆が深まる。

この物語は、当たり前の存在としての”家族”を改めて見つめ直すきっかけを与えてくれる作品となっています。

 

© 2022 SAVING THE WORLD LLC. All Rights Reserved.

 

【みどころ】

あまりに共感があふれる日常の風景・心情シーンの連続で
終始いいねの投げ銭をしたくなるレベルw。

 

どちらも社会的には成功しているが
近くの大切な人さえ救えない・理解されない葛藤が丁寧に描かれている。

 

息子への愛情とプライドの狭間からつい裏目な態度で接してしまうジュリアン・ムーアの演技は
思春期の子を持つ全母親の共感をかっさらってしまうこと必至。

© 2022 SAVING THE WORLD LLC. All Rights Reserved.

また自分なりの”カッコいい”の定義を確立しながらもどこか自信を持てない
思春期真っ只中のフィン・ウォルフハードもいい感じ。
彼が奏でるチョイヘタソングを毎夜配信し続ける大胆さは
もうあの『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の気弱だったマイク少年感は感じられない。

© 2022 SAVING THE WORLD LLC. All Rights Reserved.

そして個人的に一番印象的なキャラだったのはエヴリンの旦那でありジギーの父であるロジャー。
彼の中立的な存在が両者の相反する距離を上手く浮き出させており、
その後の家族の距離も家庭を象徴する”ダイニングテーブル”の場面で上手く表現している。

 

寡黙だが重みがあるジェイ・O・サンダースの存在が本テーマの”家族愛”を
うまく引き出すスパイスとなっているのに注目してほしい。

 

© 2022 SAVING THE WORLD LLC. All Rights Reserved.

改めてタイトルに振り返ってみると

『When You Finish Saving the World』

 

直訳すると「あなたが自分の世界を救った時」

自分の世界とは自分が関わる表向きの世界であり、

エヴリンはシェルターでの慈善業務の世界

ジギーはオンラインを通じたフォロワーとの世界
を指していると思うが、
結局その世界の先にはまた新たな世界が続いていき、終わりがないこと
を示しているのではないか。

 

よって最終的には救うべき世界は『家族』にいきつく。

 

邦題の『僕らの世界が交わるまで』

 

上手く本作のエッセンスを表現した良いタイトルだと思います。

 

是非映画館でほろ苦くも甘酸っぱい思春期真っ只中ハートフルムービーを観て

共感の投げ銭を送り届けてきてください!

 

『僕らの世界が交わるまで』
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2024年1月19日(金)より、
TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
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© 2022 SAVING THE WORLD LLC. All Rights Reserved.
配給:カルチュア・パブリッシャーズ

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1 件の返信 (新着順)
カニさん バッジ画像
2024/01/12 09:47

YES !! ジュリアン!!


そぜシネマ
2024/01/15 10:12

YES!! ムーア!!