DISCASレビュー

　ラフさん、初めまして。
　確か、コメントは初めてですよね。最近、記事を書かないで他のシネマにストさんの記事を覗いてはコメントを書いてばかりいるもので忘れている可能性もありますので。
　戯言はさておき、本作はジョン・スタージェスらしい陽性の連合軍捕虜たちが収容所を脱走する過程で少しずつ犠牲者が出て、クライマックスの大脱走も一人斃れ、二人捕まりと憂愁の色を見せてきます。そして最後は、あの悲劇となる訳です。
　その中でもマックイーンのバイクでの疾走は本作が話題になる都度、映像が流れるすごい場面ですよね。そのほかにもトンネル掘りで閉所恐怖症になったブロンソンがついに逃げ切るとか、ジェームズ・コバーンが飄々と逃げ切るとか、地味ですが脱走に成功した捕虜がいました。
　そして、捕らえられたマックイーンがラストで独房の中で壁に向かってボールを投げる場面が惨憺たる犠牲を出しながら、まだ希望を捨ててないという意思表示に見えました。
　最後に裏話ですが、マックイーンがバイクをドイツ兵から強奪する場面で、道路の上に張られたワイヤーに引っかかってすっころぶドイツ兵は実はマックイーンが演じていたそうです。バイクはマックイーンが所有していたトライアンフをドイツ軍仕様にしたものだそうで、あのアクションに挑むのに乗り慣れた自分のバイクを使いたかったようです。だから、逆にあの危険なスタントは自分でなければ無理だということで演じたという話を聞いたことがあります。