人類最終兵器 ドゥームズデイ・マシーン
人類最終兵器 ドゥームズデイ・マシーン
1972年 アメリカ 劇場未公開
スタッフ 監督:ハリー・ホープ、リー・ショレム 脚本:スチュアート・J・バーン
製作:ハリー・ホープ 撮影:スタンリー・コルテス
キャスト ボビー・ヴァン、ルタ・リー、マーラ・パワーズ、ロリ・スコット、マーク・ベイリー、
ジェームズ・クレイグ、グラント・ウィリアムズ、ヘンリー・ウィルコクソン ほか
中国の軍事施設に潜入して、更衣室で変装した女スパイが核兵器開発の証拠を掴みます。時を同じくして、米国政府は金星へ旅立つロケットの打ち上げを行おうとしていました。核戦争の危機に備えて、ロケット搭乗員7名のうち、3名を男性から女性に急遽入れ替えることに。万一、核戦争で地球が滅びた時のために人類の子孫を残そうとするのが目的。隕石が飛んできたりして、宇宙飛行にも困難が待ち受けていますが、そんなことよりも米国政府が心配した通り、地球では核戦争が勃発、人類は絶滅してしまいます。ロケットからのモニターで地球の爆発を確認して茫然とする乗組員たち。人類の未来を託された7人は金星にたどり着いて生き延びることが出来るだろうか・・・

原題は「Doomsday Machine」。"終末のマシン"という意味。核兵器=人類最終兵器ということなのでしょう。日本では劇場未公開。宇宙シーンの殆どが『妖星ゴラス』(1962年)を引用した大胆な編集も魅力。地球絶滅、金星ロケット(日本製)、東洋の女スパイ、無人ロケット、金星人の通信、残酷シーンの数々等、見所てんこ盛り。IMDBトリビアによると、もともと金星に着いた場面がラストになる予定だったのが、1967年の撮影時に製作費が尽きてしまい、1972年に再撮影されてエンディングも変更してようやく完成した映画のようです。ただ、この映画低予算なのにカラーなんですやっぱりB級SF作品はモノクロに限るのかもしれません。内容もネコを玄関に放り込んで番犬と警備員の注意を逸らしたスキに施設内に潜入、白衣に着替えただけで研究員への扮装に成功した女スパイが難なく核兵器の写真撮影に成功するというザル警備の核兵器開発施設シーンから極上のチープ感をまき散らしていて、最後までその期待を裏切らない映画でして、意味深なラストが話題となったSF映画です。