カッツ
2025/11/23 07:55
罪の声
昭和最大の未解決事件とされる「グリコ・森永事件」をモチーフに、塩田武士が描いた社会派小説であり、2020年に小栗旬と星野源のW主演。
グリコ・森永事件は、当時の日本社会を震撼させた大規模な企業脅迫事件であり、年配の人なら誰もが記憶しているだろう。映画では、時効成立後に新聞記者が事件の真相を追い始めるところから物語が展開する。脅迫に使われた音声が子どもや少女の声だったという事実に着目し、その“声”の主がどのような人生を歩んできたのかに焦点が当てられていく。
実際の事件はいまだに真相が明らかになっていないが、この作品はフィクションとして一つの“答え”を提示している。事件の裏にあったかもしれない人間の葛藤や、罪の重さ、そして声なき者たちの苦悩を丁寧に描き出しており、観る者に深い余韻を残す作品だった。
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