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spy master
2025/11/07 21:25

映画『エネミー・オブ・アメリカ』~観る者全てを震撼させる驚愕のハイテク・サスペンス~

概要

アメリカ下院議員暗殺の証拠を収めた映像を偶然手にしたことから事件の首謀者である国家安全保障局(USA)に追われる身となる弁護士の姿を描いたハイテク・サスペンス。

映画『メン・イン・ブラック』、『幸せのちから』、『インデペンデンス・デイ』などで知られるウィル・スミスが私生活を脅かされる弁護士役を演じている。名優ジョン・ヴォイト、ジーン・ハックマン、ジェイソン・ロバーズも出演している。

監督は映画『アンストッパブル』、『クリムゾン・タイド』、『スパイ・ゲーム』などで知られるトニー・スコットが務めた。

 

あらすじ

労働問題を専門に扱う弁護士ロバート・ディーンはある日、意図せずにフィル・ハマーズリー下院議員の暗殺の一部始終を収めた映像を手にしてしまう。

国家安全保障局(NSA)の行政官トーマス・レイノルズは暗殺の証拠を消し去るために映像を手にしたロバートの追跡を部下に命じる。

ある日突然、命を狙われることになったロバートは必死の逃亡を強いられてしまうが、元NSAの通信技術者で情報収集に長けた“ブリル”ことエドワード・ライルと共にNSAに闘いを挑んでいく。

映画評

トム・クルーズを瞬く間にスター俳優へと押し上げたヒット作『トップガン』では美人教官との恋と胸躍るヒットソングを交えながらアメリカ海軍エリートパイロットを目指す青年の成長を描き、『クリムゾン・タイド』では原子力潜水艦という密室を舞台にミサイル発射をめぐってたたき上げの艦長とエリートの副艦長との対立を描き出したトニー・スコット監督が手掛けたハイテク・サスペンスが『エネミー・オブ・アメリカ』である。アメリカ下院議員暗殺の証拠を収めた映像を図らずも手に入れたウィル・スミス演じる弁護士が国家安全保障局(NSA)に私生活を脅かされてしまう姿を描いている。

映画の見どころはスピード感あふれるストーリー展開である。短い映像をつなぎ合わせて次から次へとストーリーを展開していく手腕は観る者全てをうならせる。映画監督で実の兄でもあるリドリー・スコットが「視覚でストーリーを物語る」と言われることとは対照的に弟であるトニーは短い映像を次から次へと映し出して息もつかせない展開が特徴。いわば「短い映像で観る者を引き寄せる」と言って良いだろう。まさにその通りで、『エネミー・オブ・アメリカ』はカメラがひとつの場所に留まることはなく、気が付けば別の場所を映している。それが独特の流れを生み出すから見事だ。

ウィル・スミスのシリアスな演技も見どころであるが、個人的にはジーン・ハックマンの演技が見逃せない。憎々しい役からコミカルな役までを自由自在に演じるハックマンの確かな演技力は本作でも健在。映画中盤に登場してからエンディングまで美味しいところを一気に持っていってしまうくらい印象が強いのはさすが名優といえる。

映画前半はウィル・スミス演じる弁護士が国家安全保障局(NSA)に狙われて決死の逃亡を続ける逃亡劇に手に汗を握り、映画後半はジーン・ハックマン演じる情報収集に長けた男と手を組んで国家安全保障局(NSA)への反撃へと転ずる展開に手に汗を握ってしまう。

Photo by Touchstone Pictures - © 1998 Touchstone Pictures

トリビア

ウィル・スミスは映画『ドリームプラン』でプロテニス選手ビーナス・ウィリアムズとセリーナ・ウィリアムズ姉妹を育て上げた父親役を演じてアカデミー主演男優賞を受賞した。

ジーン・ハックマンは映画『フレンチ・コネクション』で型破りな刑事を演じてアカデミー主演男優賞、映画『許されざる者』で保安官を演じてアカデミー助演男優賞を受賞した。

殺害される下院議員を演じたジェイソン・ロバーズは映画『ジュリア』と『大統領の陰謀』でアカデミー助演男優賞を2年連続で受賞した。

ジーン・ハックマンとジェイソン・ロバーズはトニー・スコット監督の映画『クリムゾン・タイド』にも出演している。

アメリカ国家安全保障局「NSA」の本部はメリーランド州にある。本部の窓には盗聴防止のために銅板で覆われており、本部入口にはバリケードが設置されている。高度な訓練を受けた警備員が銃を構え、侵入者を防いでいる。

NSAは国防総省傘下の組織であり、通信傍受や暗号解読を主要な任務としている。NSAは撮影への協力を初めは完全に拒否していたが、映画出演者の中にNSA高官の娘がいたことを理由に外観の撮影と内部の限られた部屋の見学のみを許可した。
本部外観の映像の一部がオープニングに使用されている。ただし、見学の際に職員への質問は禁じられ、地下にあるといわれるコンピュータルームへの立ち入りも許されなかった。

映画『カンバセーション…盗聴…』でジーン・ハックマンが演じたハリー・コールを想わせるシーンがある。ハックマン演じるブリルがハリー・コール同様に通信傍受のプロであるという設定に加え、NSAの履歴ファイルにハリー・コールを演じていたときのハックマンの写真が添付されている。

ウィル・スミスの身長はジーン・ハックマンと同じ188センチである。スミスは1968年生まれ、ハックマンは1930年生まれであり、2人の年齢差は38歳。

ジョン・ヴォイトは身長191センチである。ヴォイトは1938年生まれであり、ハックマンとの年齢差は8歳。ちなみにヴォイトとスミスの年齢差は30歳。

音楽は映画『バックドラフト』、『パールハーバー』『グラディエーター』などで知られるハンス・ジマーが担当する予定だった🇧🇪

映画『アルゴ』でアカデミー作品賞を受賞したグラント・へスロヴが出演している。

俳優ジェームズ・カーンの息子スコット・カーン、俳優ゲイリー・ビジーの息子ジェイク・ビジーが出演している。

映画『エネミー・オブ・アメリカ』日本版予告編

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