在日コリアンである安本末子が10歳の頃(に綴った日記をもとに制作された作品である。
昭和20年代後半、佐賀県の炭鉱地帯を舞台に、臨時雇いの長兄を中心とした4人家族の極貧の暮らしが描かれている。
映画の中で、この家族が在日であることは明言されていないが、周囲には在日コリアンの人々が多く登場し、当時の日本人との関係性や、共に生きる日常の様子が自然な形で映し出されている。
差別や偏見は見られず、子どもの目線を通して、貧しさの中にも笑いや希望がある生活が描かれており、社会的な背景を静かに浮かび上がらせている。