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2025/09/11 16:56

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘

 1966年 東宝 劇場公開:1966年12月17日

スタッフ 監督:福田純 製作:田中友幸 脚本:関沢新一 音楽:佐藤勝 撮影:山田一夫 

     美術:北猛夫 特殊技術監督補:有川貞昌 監督助手:中野昭慶 特技監督:円谷英二

キャスト 宝田明、水野久美、平田昭彦、田崎潤、砂塚秀夫、当銀長太郎、伊吹徹、渡辺徹、

     天本英世、沢村いき雄、伊藤久哉、石田茂樹、広瀬正一、鈴木和夫、佐田豊、本間文子、

     中北千枝子、池田生二、岡部正、大前亘、丸山謙一郎、緒方燐作、勝部義夫、渋谷英男、

     中島春雄、関田裕、ペア・バンビ ほか

南太平洋で遭難した兄の弥太を探すため、良太はヤーレン号というヨットで出航した。良太には学生の市野、仁田、吉村が同行したが、出航後一カ月目に大嵐にあい、ヨットは転覆し、四人は海上に投げ出されてしまった。その時、良太は海中から現われた巨大な鋏を目撃したが、気を失ってしまった。やがて、四人が打ち上げられた所はレッチ島という椰子の生い繁る孤島の渚である。島の娘ダヨは良太たちに食事をさせると奇怪なことを話した。世界制覇を目ざして原水爆を製造する「赤イ竹」一味が人喰い海獣エビラを操って島民を苦しめているという。

本作品では従来のような都市破壊描写も存在しない毛色の異なる作風となっており、新怪獣のエビラはシリーズ初の水中怪獣であり、ゴジラとの水中戦が見どころの1つとなっている。また、本作品には大コンドルが登場するが、元々はキングコングを出演させる予定だったため、『キングコング』に登場したプテラノドンのオマージュとなっている。製作には本編監督や音楽担当も、それまでの「ゴジラシリーズ」の主軸を務めた本多猪四郎から福田純へ、伊福部昭から佐藤勝へ変わり、作風もそれまでの重厚なものから軽快なものへ変わっている。劇中で小美人が歌う「モスラの唄」は、ザ・ピーナッツ時代の「モスラの唄」とは別の曲であり、本作品のために(ペア・バンビが歌う)佐藤が作曲したものである。新怪獣のエビラだが造形は、ザリガニやイセエビの怖そうな部分だけを集めたと、特殊美術造形の利光貞三は述べている。また、エビラのスーツは海中で暴れるために完全防水であり、エビラの動きはスーツアクター(関田裕)だけでは不十分で、上部から吊るした細いワイヤで身体の数か所を釣り上げて操作を行ったが、関田は「こっちの背中がエビみたいに曲がったりして苦しかった」と述べている。

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