DISCASレビュー

『劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕』（1999）は、ポケモン映画シリーズの第2作で、オレンジ諸島を旅するサトシたちが嵐でアーシア島に漂着し、幻のポケモン・ルギアと伝説の鳥ポケモン（ファイヤー、サンダー、フリーザー）を巡る冒険に巻き込まれる物語。謎のコレクター・ジラルダン（声：鹿賀丈史）がファイヤーを捕獲したことで自然界のバランスが崩れ、世界が天変地異に見舞われる中、サトシは島の少女フルーラ（声：さとう珠緒）から「すぐれたるあやつり人」として3つの島の宝を集める役目を担う。ルギアの登場やロケット団の意外な協力が熱く、壮大なバトルとサトシの母の言葉が織りなすドラマが感動的。テーマは「個々の世界と大きな世界の共存」で、前作『ミュウツーの逆襲』の重厚さを受け継ぎつつ、アクションやゲスト声優（浜田雅功など）の賑やかさが子供にも楽しめる。 ただ、ルギアの「爆誕」感が控えめとのネタも。

同時上映の『ピカチュウたんけんたい』（1999）は、ピカチュウやトゲピーたちがサトシ抜きで森や川を冒険する短編。ポケモンたちの可愛いやり取りやドタバタが中心で、子供向けのほのぼのした雰囲気だが、会話が鳴き声中心でやや分かりづらい部分も。『ミュウツーの逆襲』の重さに比べ、明るい対比が楽しい。