カッツ
2025/12/30 08:34
特捜部Q カルテ番号64
「特捜部Q」シリーズの映画化第4作となる本作で、カールとアサドが挑むのは、1980年代に起きたナイトクラブのマダム失踪事件である。調査を進めるうちに、同時期に5人もの行方不明者が出ていたことが判明し、事件は単なる失踪ではなく、より大きな闇を孕んでいることが明らかになっていく。
物語はアサドの異動話から始まる。5年も経てば部署異動は珍しくないと軽く考えていたカールだが、後任がなかなか決まらず、特捜部Qの行く末に不穏な空気が漂う。そんな中、元看護師ギデ・チャールズが借りていたアパートの隠し部屋から、3体のミイラ化した遺体が発見される。身元はニーデ、リタ、フィリップと見られ、調査の結果、古くから存在するスプロー島の福祉厚生施設との関わりが浮かび上がる。
シリーズ特有の重苦しい雰囲気と、過去の闇が現在へとつながっていく構成は本作でも健在で、事件の真相に迫るほど胸が締めつけられるような感覚がある。壮絶な過去を抱える老女や、新興政党の関係者が捜査線上に現れる展開も、北欧ミステリーらしい社会性と不穏さを強めている。
特捜部Qのメンバーそれぞれの立場や心情が揺らぐ中で、事件の真相が少しずつ明らかになっていく過程は見応えがあり、シリーズの中でも特に重厚な一本だと感じた。
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