映画『ドールハウス』娘を失った母の再生と、戦慄の“人形”が織りなす予測不能な物語!?
予想をはるかに超える体験をさせてくれた一本の映画、**『ドールハウス』**を鑑賞しました。鑑賞前は、篠原涼子さん主演の『人魚の眠る家』のように、娘を失った親の深い悲しみと再生を描く作品だと想像していました。しかし、実際に観てみると、むしろ長澤まさみさん主演の『MOTHER マザー』を彷彿とさせるような、複雑な母親像が印象に残る作品でした。娘を失った苦しみに苛まれる母親の姿は、観ていて胸が締め付けられるほど。
癒しから狂気へ?人形が辿る数奇な運命
物語は、深い悲しみの中にいる母親が、一体の人形を手に入れるところから始まります。その人形をまるで我が子のように慈しみ、心を癒されていく母親の姿は、痛ましいながらも希望を感じさせます。しかし、物語はそこで終わりません。母親が徐々に日常を取り戻し、新たな命を授かって幸せを掴んでいくにつれて、かつて我が子のように可愛がった人形が、次第に忘れ去られていく。。。
前半の、娘を失ったことで心を病み、人形に執着する長澤まさみさん演じる母親の姿は、痛々しくも少し不気味さを感じさせました。しかし、新たな命を授かり、穏やかな笑顔を見せる後半の彼女には、思わず安堵のため息が漏れるほどです。しかし、ここからがこの映画の真骨頂。役目を終えたかのように見えた人形が、まるで復讐を企んでいるかのように動き出すのです。ホラー映画は苦手な私ですが、その仄暗い展開には背筋がゾクリとしました。予測不能な恐怖に、ドキッとしながらも惹きつけられる、そんな体験でした。
予想を裏切る展開の連続!映画の「魅力」となるサプライズ
この作品の最大の魅力は、まさにその予測不可能なストーリーテリングにあります。特に後半は、人形の秘められた過去が徐々に明らかになり、物語が全く予期せぬ方向へと進んでいきます。いつの間にかサスペンスからホラーへとジャンルが変貌を遂げていく展開には、正直、驚きを隠せませんでした。このジャンルの大胆な転換こそが、この映画の持つ独自の魅力であり、観客を飽きさせない重要な要素だと感じます。
最終的にどのような結末を迎えるのか、全く想像がつかない展開がラストまで続きます。普段ホラー映画をあまり観ない方にとっては、少々戸惑う場面もあるかもしれませんが、**「物語の結末に、良い意味で裏切られたい」「予測不能なストーリー展開を楽しみたい」**という方には、心からお勧めしたい一本です。私も、事前情報を一切入れずに観たのですが、随所に張られた伏線や、物語の途中で感じた違和感が、まさかこのような形で収斂するとは想定外で、大いに楽しむことができました。