カッツ
2025/12/15 12:54
中国の植物学者の娘たち
本作は、文化大革命後の中国社会を背景に、孤児院育ちの女性ミンと植物学者の娘アンの間に芽生える禁断の愛を描いた作品である。実話を下敷きにしているが、特定の人物を実名で描いたものではなく、フィクションとして構成されている。
舞台は中国南部の架空の町にある湖上の孤島の植物園。静謐で美しい自然の中で、二人の女性が次第に惹かれ合い、愛し合うようになる。映像は絵画のように美しく、特に夜の植物園を灯りが照らす場面や温室の風景は印象的である。実際の撮影は中国ではなくベトナムで行われており、幻想的な舞台美術が作品の魅力を一層高めている。
しかし物語はやがて悲劇的な展開を迎える。父親が二人の関係を知り、告発することで社会的偏見と家族の圧力が一気に押し寄せる。当時の中国社会における同性愛への厳しい視線が強調され、観る者に深い衝撃を与える。
『植物園の女たち』は、愛と自由を求める若い女性たちの姿を通じて、社会の抑圧や偏見を描いた作品であり、美しい映像美とともに強い余韻を残す。
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