韓国オカルトホラーが本気出したら凄かった
都市伝説とか好きですか?
製作国:韓国
監督:チャン・ジェヒョン
時間:134分
映倫:PG12
私にも、塩を振ってくれ〜!
韓国の要素はもちろんの事、今作品には日本文化が重要な役割を持っていた。中にはそれを反日だと思う人もいるかもしれない。しかし、私はそこまで嫌な気持ちにはならなかった。その理由は、後半に取っておこう。
巫堂と風水師
冒頭、飛行機でアメリカへ移動する巫女ファリム(キム・ゴウンちゃん)と弟子ボンギル(イ・ドヒョン)は日本語を話す。
アメリカで成功したパク一族は、後継が代々呪われていた。ファリムは、産まれたばかりの赤子を見て「墓の居心地が悪く、先祖が暴れてる」と言い、お金さえ払えば仲間と解決すると言う。一方、韓国ではその話を聞いた風水師サンドク(チェ・ミンシク)と二人三脚の葬儀屋ヨングン(ユ・へジン)が乗り出す。実は予告だと、あまりにもこの巫堂2人と違う雰囲気だった後者のおじさんず。私はすっかり敵対する仲かと思っていたので、仲間として描かれていくのは軽く驚き。あくまでもビジネス関係ではあるのだが、次第にその関係も絆へ変わるから面白い。
早速やります、破墓(パミョ)!!
字の如く墓を壊すのだが、これは一旦掘り起こして中のお骨を出し、清めて良い場所へ移し故人を安らかに再度埋葬するのだ。
しかし依頼主ジヨン(キム·ジェチョル)は、祖父の墓を掘り起こした後、墓を開かず即火葬して欲しいと言う。へー、韓国って土葬もしてたんだ。私は最近、韓国作品を観るようになったので、よく観る納骨堂が主流だと思っていたので、逆に新鮮でした。
しかも、大金持ちのパク家の墓にしてはあまりにも質素。しかも風水師のサンドクも知らないような土地。ちなみに韓国で言う風水と日本の感覚の風水は若干違うようだし、陰陽道もこれまた違いそうなので、あくまでもオカルトの範囲で楽しむべきだと感じた。
必見!キムゴウンちゃんの祈祷シーン
この破墓シーンは、巫女であるファリムが祖父の霊を鎮めながらの祈祷。腕や首を動かしながら挑むファリム。その様はまるで、これから世界記録にでも挑むアスリートのよう。そして、ボンギル達が歌い叩く太鼓で、トランス状態。
一気に、この作品の世界に引き込まれるシーンだ。しかし、火葬場へ運ぶ途中で突然雨に降られる。どうやら雨の中、火葬すると良い所へ行けないからと、日を改める事にしたのが運の尽き。開けちゃダメって聞いたら、開けたくなるのが人の性。祖父の霊が、子孫を次々に殺していく。こんな時、風水師より巫堂コンビが活躍する。作中、様々な祈祷シーンがあり、バリエーションも豊か。悪霊を呼び出したり、降霊術を使ったりと、観る者を飽きさせない。
個人的には、この時お手伝いで葬儀屋ヨングンが居るのが嬉しい。ユヘジンさん推し。もうね、私このおじさん2人が好きなのよ〜。こんなオカルトホラーなのに、ちゃんと2人でクスッとしちゃう。耳なし芳一作戦なんかはお気に入り(観た人ならわかるやつ)
これで終わらない展開が凄い!
祖父が悪霊となった理由からの、次の展開が凄い!ここまででも十分オカルトしてるのに、グンとギアを上げてくる。何かでてきた。
私はもうコイツを現代に持ってくるあたり、力技な気がしますけど、そこは韓国と日本という関係性で成り立っているんだろう。それにコイツをやっつけるなら、世界的に人気があるアニメの○殺隊を呼ぶ方が早いな、とまで思ってしまい、思わずニヤニヤしてしまった。実はラスト色々解き明かされるべき事柄は、割とぼんやりとしていて、ハッキリとした事はわからない。狐だの虎だの、地形だ怨念だと豊富に取り揃えていますが、原因はわからない。しかしとにかく物凄い迫力と、こんなにファリムが舞ったり降霊術したりした割に、全部持ってくサンドク。でも面白かったし、いいかってなるのが凄いんです。
迷信みたいな習わしって、どの国にもあるんだなぁ。今回は同じアジアだから、より馴染みがあって、エクソシストよりもわかりみ深かった。とはいえ、万国共通かも。後半の悪霊と対決する場面は、どんどん盛り上がるしVFXを駆使し、スリリングな展開でお見事。よくこの展開を陳腐なものにしなかった。日本だとこの辺が残念なんだよなぁ。さすが、韓国オカルト映画の職人チャン・ジェヒョン監督!