カッツ
2025/10/14 07:31
ウィンストン・チャーチル
第二次世界大戦下のイギリスを舞台に、首相チャーチルの苦悩と決断を描いた自伝的作品である。ゲイリー・オールドマンがチャーチルを演じているが、彼本来の顔立ちとはまったく異なるにもかかわらず、見事なメイクと圧倒的な演技力によって、本当にチャーチル本人がそこにいるかのような説得力がある。
物語の中でも特に印象的なのが、ドイツ軍の空襲に疲弊したロンドン市民を励ますため、チャーチルが地下鉄に乗り込み、一般の乗客たちに直接語りかける場面である。彼はそこで、市民がいかに団結し、祖国のために闘う意志を持っているかを知る。この瞬間が、彼の歴史的な決断へとつながっていく。
政治家としての孤独、重圧、そして人々との絆を描いたこの作品は、歴史映画でありながら、深い人間ドラマとしても心に残る一作である。
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