カッツ
2025/10/10 08:38
ラストショー
ピーター・ボグダノビッチ監督(『ペーパー・ムーン』)による『ラスト・ショー』は、戦後間もないテキサスの田舎町を舞台に、高校生たちの日常を淡々と描いた作品です。大きな事件やドラマは起こらないものの、登場人物一人ひとりの描写が非常にリアルで、観る者の心に静かに染み入ります。
こんな片田舎でも、当時のアメリカはすでに豊かだったのだと驚かされます。個人で室内プールを所有し、そこで高校生たちが裸でパーティを開くという描写には、文化の違いと時代の空気を感じさせられました。
モノクロ映像も作品の雰囲気にぴったりで、郷愁や寂寥感をより一層引き立てています。高校生のソニーと親友デュアンにとって、映画館は唯一のデートスポットであり、青春の象徴でもあります。
なお、1972年の第44回アカデミー賞では、サム役のベン・ジョンソンが助演男優賞を、ルース役のクロリス・リーチマンが助演女優賞を受賞しており、演技面でも高く評価された作品です。
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