【ネタバレなし】まさに愛憎劇!北野武監督最新作『首』
いよいよ公開される北野武監督の最新作『首』。
大河ドラマ「どうする家康」や映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』でも描かれた、誰もが知る歴史上の大事件“本能寺の変”への道程を北野武監督は全く新しい視点で描きました。
結果として今までなかなか描かれてこなかった“侍の愛憎劇”となっています。
そういうこともあってほとんど男優だけでの物語になっています。
そう考えるとビートたけしが映画にはまるきっかけを作った大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』や巨匠となってから出演した『御法度』を思い起こさせますね。
ちなみにR-15指定の映画なので北野武映画らしいバイオレンスも健在です。
醒めた目線の持ち主・豊臣秀吉
戦国時代の物語なので大掛かりな合戦シーンも繰り広げられますが、それよりも何よりもとにかくドロドロした愛憎劇と緻密に練られた陰謀劇が展開されるところが映画『首』の大きな特徴です。
歴史上、実際にはあった“侍同士の惚れた腫れた”についてはあまり描かれてきませんでしたが、今回はすべての根源にこの“感情”を持ってきています。
そんな中で、異才を放つのがビートたけし演じる百姓出身の豊臣秀吉。
根本的な考え方、発想の立脚点が違うこの男から見ると“侍同士の惚れた腫れた”はある意味で、理解の範囲外の出来事で、それゆえにそこで揺れ動く侍たちには、それが主君の織田信長であったとしても醒めた目線をぶつけます。
秀吉の立身出世の話は色々な形で語られてきましたが、今回のような活かし方は新鮮でした。
加勢亮演じる信長と西島秀俊演じる明智光秀、遠藤憲一演じる荒木村重の関係性はいわば三角関係で、ここから“本能寺の変”になだれ込んでいきます。
それを醒めて見る秀吉の脇を固める大森南朋演じる秀吉の弟・羽柴秀長や浅野忠信演じる天才軍師・黒田官兵衛なども感性は秀吉に近く、陰謀を張り巡らせながらも“侍同士の惚れた腫れた”にはやや呆れ気味に見ています。そんなスタンスもあって劇中の笑いの部分の多くをこの二人が担っています。
彼らに加えて小林薫演じる徳川家康と岸部一徳が演じる千利休がまた格別の存在感を見せてくれます。
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これから観てくる前にネタバレなしだけど事前の心構えとして(笑)読むのに最高でした。ありがとうございます!
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主な女優さんが出演しておりませんでしたので遠藤憲一が演じる荒木村重が悲劇のヒロインだったと思います。チーム秀吉(寝首を狙う秀吉・おとぼけ秀長・笑う軍師官兵衛)がお笑い担当、加瀬信長のフルスロットルな狂気、存在のある岸部利休にすべてに慎重な小林家康。エンタメ時代劇でした。
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