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2025/04/22 13:48

【吐息さえ聞こえなかった緊迫感】途中で止めたら台無し『新幹線大爆破』

4月23日(水)に全世界配信となる『新幹線大爆破』を、世界最速試写にて鑑賞させていただいた。「スマホで観るのは勿体ない」と劇場にいた乗客同士(鑑賞者)が語り合うほど没入できる作品。新幹線のテロという現実として起こり得てもおかしくない作品であるため、緊迫感と決断が迫られるシーンでは、シーンの俳優と同様に会場全体も息を飲むのが感じられた。公開直前でネタバレなしの魅力を最大限お伝えする。


目次
1. 切っては繋がるあれやこれ

2. Netflixのこだわりと徹底ぶり

3. 20年の時を経た監督と主演の想い


■概要
『シン・ゴジラ』など、これまでも多くのスペクタクルな映像と人間ドラマを融合させてきた樋口真嗣監督。原作となる同名タイトルの大ファンである樋口が、“リブート”という形で現代社会への再構築として大幅アレンジ。主人公である、はやぶさ60号車内で爆破を回避すべく奮闘する車掌・高市を演じるのは、『日本沈没』でも樋口監督とタッグを組んだ草彅剛。そして、JR東日本の特別協力により実際の新幹線車両や施設を使用した撮影が実現。リアルな映像と最新のVFX、特撮を融合させた大迫力の映像でおくる、息もつかせぬスリルと緊張感溢れるノンストップサスペンスエンターテインメント『新幹線大爆破』が誕生した。

■あらすじ
はやぶさ60号は今日も、新青森から東京へ向けて定刻どおり出発した。高市(草彅剛)はいつもと変わらぬ想いで車掌としてお客さまを迎える。そんな中、一本の緊迫した電話が入る。その内容は、はやぶさ60号に爆弾を仕掛けたというもの。新幹線の時速が100kmを下回れば、即座に爆発する……。高市は、極限の状況の中、乗客を守り、爆破を回避すべく奔走することになる。犯人が爆弾の解除料として要求して来たのは、1,000億円! 爆発だけでなく、さまざまな窮地と混乱に直面することになる乗務員と乗客たち。鉄道人たち、政府と警察、さらに国民も巻き込み、ギリギリの攻防戦が繰り広げられていく。極限の状況下でぶつかり合う思惑と正義、職業人としての矜持と人間としての本能。はやぶさ60号は、そして日本は、この危機を乗り越えることができるのか!?


1. 切っては繋がるあれやこれ


まず本作鑑賞の条件として、「134分ぶっ通しで観れる時」が必須と言える。あらすじの通り、止まらない新幹線と同じで、この物語を途中で止めてしまうと魅力が半減どころではない。そして、本作では止められない新幹線をフックに、ありとあらゆる視点で「断絶」と「連結」を繰り返す。ここに面白さの要素が何度も押し寄せ、人間関係や車両、考え方や立場、さらには恨みや信頼まで。心拍数を上げにかかる危機的状況は新幹線だけに収まらない所を体験して欲しい。


2. Netflixのこだわりと徹底ぶり


ネットフリックスログイン時に出てくる「Chilleez (チリーズ)」

後楽園ホールで繰り広げられた『極悪女王』や、新宿歌舞伎町で大々的にPRした『シティーハンター』に加え、本作の世界最速上映もこだわりっぷりを発揮。劇場で迎えてくれたのは、Netflixにログインしたときに、デフォルトのプロフィール画像として最初に表示されるプロフィール画像のキャラクター「Chilleez (チリーズ)」。新幹線大爆破のホーム案内と共に出現。実は4キャラクターいるので、気になる人はこちら。https://about.netflix.com/ja/news/meet-your-new-favorite-streaming-buddies-the-chilleez

新幹線といえば、駅弁。
お弁当箱にステッカー、ハンドタオル、あられの詰め合わせ

上映前に手渡しされた袋は、まさにお土産を新幹線に持ちこむような紙袋スタイル。その中には本作のパンフレットと共に入っていたのは、新幹線に欠かせない"弁当"だ。その弁当の中には新幹線大爆破のステッカーと、おにぎりの形をしたハンドタオル、そして、Netflixに最も合うとされているあられのお菓子。映画鑑賞に合うポップコーンとコーラの準備もあったが故に、試写した映画館が新幹線さながらの雰囲気に包まれる。

実は動画になっているこだわり

うってつけは、スクリーンに映し出されているのはポスター画像と作品名かと思いきや、爆発の炎やブレーキのイラストが動いているこだわり。(おそらくこの作り込みに気がついた人は僅かだろう)本来は画像で良いものの、待ち時間を持て余さない臨場感と迫力のエンターテインメント性に感服。絵のタッチもやや昭和感あふれる濃いめの表現もまたリブート作品への敬意を感じるところだ。さらに、ゲストの2人が登場する際も、新幹線の発車音が使われるという徹底ぶりには言うことはない。

ドリンクラベルまでジャック

そして、最後に構成。基本的に試写会で多いのは最初に舞台挨拶があって、その後に作品鑑賞という建て付けだが、今回はその真逆だ。作品の素晴らしさを体感した観客はその余韻に浸りながら、監督と主演の撮影秘話や苦労話が聞ける構成。これほど観客ファーストな構成はないと、今後の試写会にもこういった配慮に良い意味で期待したいところだ。


3. 20年の時を経た監督と主演の想い


日本沈没からの樋口監督と草彅剛。舞台挨拶の登場では、髭ダンスをしながら登壇する仲良さは一目見てわかるほど。今か今かと待ちわびてやっとの本作で再び共演を果たすのだが、まさにこの瞬間のためにあった奇跡の再共演作品。1シーンに20人30人の協力スタッフを要しながら、手づくりの迫力を生み出したという。多くは語れない撮影秘話の中で、1957年の『新幹線大爆破』との関連性も非常に高く、亡き高倉健の存在感を示す。現に草彅本人の口からは「高倉健さんの声が聞こえて…」と以心伝心できたが故の作品とも言っている。過去作を観ないで、本作から入ってもよし、更なる繋がりに期待して過去作を観てから挑むも後悔はしない仕上がりだ。 


Netflix映画『新幹線大爆破』

出演:草彅剛 細田佳央太 のん 要潤 尾野真千子 豊嶋花 黒田大輔 松尾諭 大後寿々花 ・ 尾上松也 六平直政 ピエール瀧 坂東彌十郎 / 斎藤工
監督:樋口真嗣
原作:東映映画「新幹線大爆破」(監督:佐藤純彌、脚本:小野竜之助/佐藤純彌、1975 年作品)
エグゼクティブ・プロデューサー:佐藤善宏(Netflix)
プロデューサー:石塚紘太
ライン・プロデューサー:森賢正
准監督:尾上克郎
脚本:中川和博 大庭功睦
音楽:岩崎太整 yuma yamaguchi
撮影:一坪悠介 鈴木啓造
照明:浜田研一
録音:田中博信
美術:佐久嶋依里 加藤たく郎
スタイリスト:伊賀大介
編集:梅脇かおり 佐藤敦紀
アクション・コーディネイター:田渕景也
VFXスーパーバイザー:佐藤敦紀
ポストプロダクションスーパーバイザー:上田倫人
Compositing Supervisor:白石哲也
リレコーディングミキサー 佐藤宏明 (molmol)
音響効果 荒川きよし
ミュージックスーパーバイザー 千陽崇之
特別協力:東日本旅客鉄道株式会社 株式会社ジェイアール東日本企画
制作プロダクション:エピスコープ株式会社
製作:Netflix

2025年4月23日(水)よりNetflixにて世界独占配信
Netflix作品ページ: https://netflix.com/新幹線大爆破 

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