DISCASレビュー

カッツ
2025/10/23 07:32

シェルたリングスカイ

イタリアの名匠ベルナルド・ベルトルッチ監督による『シェルタリング・スカイ』は、北アフリカの広大な砂漠を舞台に、倦怠期を迎えた夫婦がかつての愛を取り戻そうと旅に出る物語だ。
何よりも印象的なのは、果てしなく続く砂漠の風景。乾いた空気、眩しい陽光、静寂に包まれた大地——「砂漠、砂漠、砂漠が美しい」という言葉が自然と口をついて出る。
この映画を観ていると、『イングリッシュ・ペイシェント』を思い出さずにはいられない。どちらも、愛と喪失、そして異国の地での魂の彷徨を描いている。
坂本龍一によるテーマ音楽もまた、映像と見事に調和し、観る者の心に深く染み入る。おそらく誰もが一度は耳にしたことのある旋律が、物語の余韻をより一層豊かなものにしている。

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