ストーリー

k.a
2026/01/28 07:32

ファースト・マン

『ファースト・マン』は、私にとってデイミアン・チャゼル監督の作品の中で最も静かで、でも一番胸に深く刺さる一本です。2018年の映画で、ニール・アームストロングをライアン・ゴズリングが演じ、人類初の月面着陸を「国家の偉業」じゃなくて「一人の男の個人的な旅」として描いたところが、もう最高に心に響くんですよね。

アームストロングの内面的な苦しみ、特に娘を亡くした喪失感が、言葉少なに、表情や沈黙で表現されてて、観てるこっちまで息が詰まる。ゴズリングの演技が本当にすごくて、ほとんど感情を表に出さないのに、目や微かな震えで「この人は今、どれだけ壊れそうか」が伝わってくる。クレア・フォイ演じる妻ジャネットとの関係も、夫婦のすれ違いと愛が静かに描かれてて、切ない。宇宙飛行士の家族の孤独が、こんなにリアルに感じられる映画って珍しいと思います。

宇宙シーンの臨場感は異常。主観ショット中心で、振動、騒音、狭いコックピット内の息苦しさがダイレクトに伝わってきて、まるで自分がアームストロングと一緒に乗ってるみたい。X-15のテスト飛行やジェミニ、アポロのミッションが、次々と失敗と死の影を伴って迫ってくる緊張感が半端ない。特に月着陸のシーンは、静寂と孤独が極まってて、興奮じゃなくて「これが本当の恐怖と達成感か」って、静かに震えました。月面で娘のブレスレットを置く瞬間は、言葉にならない感動で、涙が止まらなかったです。

チャゼル監督の演出が天才的で、派手なヒロイズムを避けて、ひたすら「個人の視点」にこだわってるからこそ、歴史的事件がこんなに個人的で生々しく感じる。国家の旗を立てるシーンを意図的に省いたのも、すべてがアームストロングの内面に収束してる証拠で、だからこそ「これは彼の物語だ」って強く思えるんです。

 

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