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カッツ
2025/12/18 13:11

卍 1964年版

1964年版/監督:増村保造/原作:谷崎潤一郎

1928年に発表された谷崎潤一郎の同名小説を原作とする映画で、『卍』には1964年版と1983年版の二つの映画化がある。今回鑑賞したのは1964年版であり、1983年版も評価が高いと聞くので、ぜひ観てみたいと思う。
主演の若尾文子は、妖艶な魅力を存分に発揮している。私はロミー・シュナイダーが好きだが、若尾文子はまさに「日本のロミー・シュナイダー」と呼ぶにふさわしい存在だ。当時はそれほど魅力を感じなかったものの、50年以上を経て日本映画を見直すと、この頃の若尾主演作は今でも十分に通用し、繰り返し観たくなる女優だと改めて思う。
1964年版では、若尾文子と岸田今日子が主演を務め、当時はまだタブー視されていた女性同士の愛を繊細かつみずみずしく描いている。直接的な裸身は映されないが、身体の輪郭や仕草、視線の交錯によって観る者の想像をかき立て、官能と心理の揺らぎを巧みに表現している。
さらに舞台となる京都の邸宅や調度品を通して、当時の富裕層の優雅な暮らしぶりが描かれ、物語に美的な深みを添えている。『卍』は、愛と欲望の複雑さを美しく映し出した傑作であり、今なお強い余韻を残す作品である。
 このころの日本映画、再評価していいと思う。

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