ストーリー

「シャイン」（1996年）のサウンドトラックは、スコット・ヒックス監督の伝記映画を彩る、クラシック音楽を中心とした感動的なアルバム。ジェフリー・ラッシュが演じるピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットの波乱に満ちた人生を、ラフマニノフ、リスト、リムスキー＝コルサコフの名曲が支える。特にラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」は、ヘルフゴットの天才性と精神的な闘いを象徴する圧倒的な演奏で、映画のクライマックスを際立たせる。リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」やリムスキー＝コルサコフの「熊蜂の飛行」も、彼の奔放な才能を表現。デイヴィッド・ハーシュフェルダーのオリジナルスコアは、繊細なピアノと弦楽で家族の絆や内面の葛藤を優しく描く。全体として、映画の感情的な起伏と音楽の力を融合させた名盤だが、クラシック曲が中心のため、映画の文脈を離れるとやや散漫に感じる場合も。ヘルフゴットの情熱と苦悩を音で体感する一枚。