DISCASレビュー

京介 バッジ画像
2025/09/02 02:00

地球へ2千万マイル

地球へ2千万マイル

 1957年 アメリカ

スタッフ 監督:ネイザン・ジュラン 脚本:クリストファー・ノップ、ロバート・クレイトン・ウ

     ィリアムズ 製作:チャールズ・H・シニア 特撮:レイ・ハリーハウゼン

キャスト ウィリアム・ホッパー、ジョーン・テイラー、トーマス・ブラウン・ヘンリー、フラン

     ク・パグリア、ジョン・ザレンバ、ジャン・アーヴァン、バート・ブレイヴァーマン ほか

イタリア・シシリー島沖に突如飛行物体が落下した。それは13か月前にアメリカが打ち上げた金星探査ロケットだった。居合わせた漁師により乗員のうち2人が救助されるが、1人は既に金星の風土病に罹患していたためにほどなく死に、生存者は隊長のカルダー大佐のみとなってしまう。カルダーが意識を回復するのと前後し、島に滞在していたレオナルド博士の元に少年ペペがロケット騒ぎに紛れて拾った物体を持ち込み、博士はそれが地球の物でないことに気づく。それは、劣悪な環境下で生きる方法を探るためにカルダーたちが持ち帰っていた金星生物の卵だった。やがて孵化した金星の生命体は、金星と地球との環境の違いにより急速に人間大までに成長する。

本作の撮影は1956年9月にイタリア・ローマで行われ、その後アメリカでも撮影された。ハリーハウゼンはカラー撮影を希望していたが、予算の関係でカラー撮影を断念せざるを得なかった。監督のジュランの死後5年が過ぎた2007年に、ハリーハウゼンはレジェンド・フィルムに依頼してコンピュータ着色処理を行い、公開50周年記念として同年7月31日にカラー版が発売された。「体型と姿勢」については、ハリーハウゼンの師匠とも言えるウィリス・オブライエンの代表作である『キング・コング』のそれを強く意識したものである。

日本では劇場未公開に終わったが、大伴昌司によるビジュアル紹介の功績で、多くのSF映画ファンに知られている。

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1 件の返信 (新着順)
さっちゃん
2025/09/02 23:50

 嬉しいチョイスです。
 私も記事の中でも触れておられた大伴昌司さんの紹介記事を読んだ一人です。彼の紹介記事は現在の眼で見てもビジュアルに気を配ったもので金星竜イーマ(クリーチャーの名前は少年雑誌ではそう紹介されていました。)のカッコよさに痺れたものでした。
 長じてビデオ、DVDが普及すると本作がいつ、コンテンツになるのか待ち続け、かなり経ってからDVDになったときは本当に嬉しかった記憶があります。
 ハリーハウゼンの手腕は本当に素晴らしいもので、彼がカラーで映像化を望んだのもむべなるかなという出来でした。イーマ(コメントでは以降、この呼び方にします。)が動物園だかから逃げた像と闘う場面では像もミニチュアなのでシンクロや迫力が違いました。
 ハリーハウゼンが師匠の『キングコング』に敬意を表した点はほかにもイーマの最期がそのように思えます。この頃のハリーハウゼンの技術はのちのダイナメーションの頃と比較しても遜色のないレベルではないでしょうか?


京介 バッジ画像
2025/09/03 00:59

コメントありがとうございます。
本作品に限らず「怪獣博士」と呼ばれた大伴昌司さんの功績は多大なものであったと思います。