カズオ・イシグロが2005年に発表した同名のSF小説を原作とするドラマ映画である。物語は、寄宿舎学校で育てられる子どもたちが、実は人間のクローンであり、臓器提供のために管理されているという非常に恐ろしい設定を描いている。
小説で読むと現実感が薄く、SFとして受け入れやすいが、映画では映像によって生々しく表現されるため、単なるSF映画というよりも現実社会を映す作品として迫ってくる。そのため、観ていてなかなか受け入れがたいほどの重さがあり、人間の尊厳や生きる意味について深く考えさせられる映画であった。