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2025/12/04 14:34

北京原人の逆襲

北京原人の逆襲

 1977年 香港 劇場公開:1978年3月4日

スタッフ 監督:ホー・メンホア 製作:ラミー・ショウ 脚本:ニー・クァン プロデューサー:

     チャイ・ラン 撮影:ツァオ・ホイチー、ウー・チョーホア 特技監督:有川貞昌・村瀬

     継蔵 特技助監督:川北紘一 北京原人造形・スタント:村瀬継蔵 特技撮影:富岡素敬

キャスト リー・シュウシェン、イヴリン・クラフト、シャオ・ヤオ 、クー・フェン 、リン・ウェイ

     ツー、スー・シャオシャン、ウー・ハンシュン、ツイ・シャオキョン ほか

香港の捕獲業者ルー(K・フェン)は、60年代にヒマラヤの大地震で岩石の間より出現した怪獣、北京原人のことを調べ、早速探検隊を出発させた。隊長はチェン(L・シュウシェン)。1行は難行する。ルーすらも帰ろうといいだすが、チェンは密林へ入り、北京原人に襲われた。間もなく気がつくチェンの前には、金髪の美女がいる。名前はアー(E・クラフト)。彼女は20年前の墜落した飛行機の唯一の生き残りで、北京原人に育てられていたのだ。チェンは、アーと親しくなり、北京原人を香港に連れていくことになった。やがて、インドへ出て、大型貨物船にアーの反対にもかかわらず鎖でしばられている北京原人。だが北京原人も船が嵐で岩礁にのり上げると、鎖からはずれ、船を助けた。そして、北京原人が香港に着くと、ルーのふところには大金が入り、北京原人は人気者となる。

『北京原人の逆襲』は、香港のショウ・ブラザーズが製作し1977年7月に公開した特撮映画作品。本作の特撮は、日本人のスタッフが担当している。これは、『蛇王子』(1975年、日本未公開)という香港映画で、日本の造形会社「コスモプロダクション」が大蛇の造形を担当したことがきっかけだった。その1年後、本作が製作されることとなり、チャイ・ランから電話で「1年くらいの予定で香港に来てくれないか」と誘われた村瀬が香港に呼ばれたのである。日本人スタッフの選定を頼まれた村瀬は有川貞昌ら東宝のスタッフをリストアップ。村瀬はリストに入れていなかったが、川北紘一も助監督として参加してくれることとなり、村瀬を驚かせた。劇場パンフレットによると、1億円以上を費やす人海戦術を採っただけに、見事な出来栄えは『人件費の比較的安い土地で、初めて出来たこと。本格的な特撮は“キングコング”よりも面白い』と、早くも評判を呼んでいる」という。崩れる山には、本物の岩石が用いられた。川北は、本作品のスタジオは東宝のものより数倍大きく、日本では不可能なスケールでの撮影であったと述べている。村瀬によると、香港の美術スタッフは精巧なミニチュアを非常に手際よく作ってくれたという。村落の巨大な仏像などは、香港の左官屋が一晩で作ったものであった。

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