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2025/09/26 17:39

第9回 米アカデミー賞・作品賞受賞「巨星ジーグフェルド」

‘巨星ジーグフェルド’ とは何ぞや?!

アメリカの興行主であり、舞台演出家の第一人者であったフローレンツ・ジーグフェルド・Jr(1867.03.21 ~ 1932.07.22)の生涯を映画化した、絢爛豪華なミュージカル大作である。

 

「巨星ジーグフェルド」

(1936年・アメリカ、モノクロ、177分)

                       監督:ロバート・Z・レナード

1893年、シカゴ。音楽教師だったフローレンツ・ジーグフェルド(ウィリアム・パウエル)は、怪力男サンドー(ナット・ペンドルトン)の興行を行っていた。逞しい彼の筋肉を女性たちに触ってもらうという催しだ。やがてジーグフェルドは欧州へ向かうが、賭博で有り金をすべて失ってしまう。やむなく彼は船内で出会ったビリングス(フランク・モーガン)に借金を申し込んだ。ビリングスは無二の親友だが、昔からの商売敵でもある。ビリングスは帰米の費用だけ渡して追い返そうとしたが、そこでフランス人女優アンナ・ヘルド(ルイーゼ・ライナー)をジーグフェルドに横取りされてしまう。帰国したジーグフェルドはアンナを人気女優に育て上げ、やがて2人は結婚、幸せな日々が続く。やがて、野心家のジーグフェルドは「ジーグフェルド・フォーリーズ」をプロデュースするのだが...。

 

本作の最大の見せ場はジーグフェルドが創設した『ジーグフェルド・フォリーズ』の第1作を劇の中盤で再現しているところ。 アーヴィング・バーリンの「A Pretty Girl Is Like a Melody」 から始まるこの豪華絢爛なミュージカル・シーンの迫力は凄いというほかない。又、MGMの美術スタッフが、175段のらせん階段が付けられた総重量100トンもある巨大な渦巻き型の塔のセットを製作、塔のセットは頂上にむかってゆっくり回転しながら、頂上にいるヴァージニア・ブルースの姿が見えたところでサテンのカーテンが降りてきて、 全体を包んだところでフィナーレを迎える華麗なシーンとなっている。82人もの歌手、ダンサー、音楽家たちが登場するシーンは圧巻だ。 

冒頭のスタッフ・キャストが紹介されるシーンは、光り輝くネオン搭の照明がそのまま名前になっているという洒落たもの。
クレジットは1位にウィリアム・パウエル、2位にマーナ・ロイ、3位にルイーゼ・ライナーだった。
出番はルイーゼ・ライナーのほうが圧倒的に多く、彼女は本作でアカデミー主演女優賞を受賞した。

マーナ・ロイがクレジット2位なのは、5年先輩のマーナに敬意を表して譲ったのかもしれない。

因みにルイーゼ・ライナーは本作翌年の「大地」で中国娘「阿蘭」を演じ、2年連続のアカデミー主演女優賞を受賞したのだ。(連続受賞の第1号)

一方、マーナ・ロイは駆け出し女優ビリー・バーク役で登場するが、彼女もまたジーグフェルドに見初められ、2人は恋に落ちる。
 

特筆すべきは「ファニー・ガール」(68年)で、バーブラ・ストライサンドが演じたファニー・ブライスが出演していること。

 

当時最大のスケールを誇ったMGMではあるが、よくもこんな大掛かりなセットを造ったものと感心しきり。

舞台装置の関係者の方々には心から拍手を送りたい。
 

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