【Foyer vol.3:CINEMA NEKO】東京・青梅へ小旅行──懐かしさと人の温もりに触れる
新宿から電車で揺られ1時間。都会の喧騒を離れ、多摩川の豊かな自然に抱かれた東京都青梅市。どこか懐かしい昭和の風情が色濃く残り、ゆったりとした時間の流れを感じさせてくれるこの街は、忘れかけていた温かさや安らぎをもたらしてくれる。歴史の深さと、そこに根付く人々の温かさが交錯する魅力溢れるスポットを巡る、心落ち着く散策へ。
自然、歴史、そして温かい人々と出会う、青梅の奥深い魅力を発見する旅に出かけよう。

目次
1.まちの駅 青梅|旅が始まる青梅の入り口
2.CINEMA NEKO|東京唯一の木造建築の映画館
3.夏への扉|線路沿いに佇む、物語のような喫茶店
4.マイコン博物館|デジタルとアナログが交錯する、好奇心の迷宮
5.銀嶺|昭和24年から続く、温かいおでんと焼き鳥の店
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1. まちの駅 青梅|旅が始まる青梅の入り口
JR青梅駅の改札を抜けたすぐそばに見える「まちの駅 青梅」は、青梅の旅のスタート地点として最適な場所だ。店内には、地元の素材を使用した特産品、お土産品がずらりと並ぶ。特に奥多摩わさびを使った商品や青梅の地酒「澤乃井」など、青梅の豊かな自然が育んだ“逸品”はわざわざ遠方から購入しに訪れる人もいるほど。これから巡る青梅を知るための足掛かりとして、まずはアンテナショップに行くという粋な選択をしてみるのも良いだろう。

【SNS】インスタグラム
【営業時間】10:00 - 20:00
【住所】東京都青梅市本町163-2-2
2. CINEMA NEKO|東京唯一の木造建築の映画館
「CINEMA NEKO(シネマネコ)」は、かつて映画の街として栄えた青梅に約50年ぶりに復活した、都内で唯一の木造建築の映画館。国登録有形文化財にも指定された建物を改修した趣ある空間は、2021年のグッドデザインを受賞するほど、建築業界で高い評価を得ている。流行りの作品からドキュメンタリーまで、多様な作品を上映している。ふらっと訪れて気分に合わせて鑑賞する映画を決めるのも乙な楽しみ方だろう。また、併設されているカフェではこだわりのスイーツやフードを楽しむことができる。映画ファンはもちろん、レトロな雰囲気の中で特別な時間を過ごしたい人におすすめの場所だ。

【住所】 東京都青梅市西分町3丁目123 青梅織物工業協同組合敷地内
【営業時間】:9:30〜22:00(上映作品により変動あり)/定休日:火曜日
【公式HP】https://cinema-neko.com/
3. 夏への扉|線路沿いに佇む、ノスタルジックな喫茶店
線路沿いにある小さな喫茶店「夏への扉」。元眼科医院として使われていた昭和初期の建物をそのまま利用しており、一歩足を踏み入れると、まるでタイムスリップしたかのような空間が広がる。じっくり煮込まれた野菜たっぷりのスパイシーな玄米カレーは甘いデザートと相性抜群だ。開け放たれた窓から入るガタンゴトンという電車の走行音に耳を傾けながら、思う存分ノスタルジーに浸ってほしい。

【営業時間】10:00 - 18:00/定休日:火曜日
【住所】東京都青梅市住江町16
4. マイコン博物館|デジタルとアナログが交錯する、好奇心の迷宮
一見、銀行のような建物の2階にある「マイコン博物館」。1970年代のマイコン(パソコン)草生期の貴重な品々から現在のコンピューターまで、人類の叡智の結晶であるコンピューターがどのような進化を歩んできたか、その変遷を辿ることができる。
特に貴重なのは、後のMicrosoft BASIC製品群の起源となった伝説のプログラムAltair BASICをおさめた紙テープ。中身を示すための手書きの文字は、館長曰くおそらくビル・ゲイツの直筆とのこと。

そして、ここではマイコンだけにとどまらず、そろばんや計算尺、手回し式の計算機など、昭和初期からの小型計算機、ゲーム機、コンピューター関係の雑誌がずらりと所蔵されている。1970年代のマイコン革命を体験した世代はもちろん、デジタルネイティブ世代にとっても新鮮な驚きと発見に満ちている。過去の技術の進化をたどり、未来の科学技術に思いを馳せる、知的好奇心を刺激するユニークな博物館である。
【SNS】フェイスブック
【営業時間】12:00〜18:00(最終入館17:00)/休館日:水曜日
【住所】東京都青梅市仲町295 青梅プラザ 2階
5. 銀嶺|街の記憶を紡ぐ、昭和24年創業の憩いの場
知る人ぞ知る地元民の憩いの場である「銀嶺」は、昭和24年から続く老舗の居酒屋。
キッチンを囲むようにカウンター席が並んだ店内は、一見さんも常連さんも分け隔てなく会話が繰り広げられる温かい雰囲気で満たされている。関西風のおでんや炭火でじっくり焼かれた焼き鳥など、長年愛されてきたこだわりの味と冷たいビールの相性は言わずもがな。女将さんや常連さんとの会話を楽しみながら、心温まる最高の旅の締めくくりを過ごそう。

【営業時間】15:30-22:00/定休日:火曜日
【住所】東京都青梅市住江町52
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多摩川のせせらぎに耳を傾け、古き良き昭和の面影が残る街並みを歩く。そこには、美しい自然や懐かしい景色とともに、時を超えて愛され続ける場所、新たな息吹を吹き込まれた場所が点在している。今回巡ったスポットは、いずれも青梅の街に深く根ざし、それぞれの物語を紡ぎ、青梅という街の文化そのものを形成している。

忙しない日々を過ごすあなたの感性を揺さぶり、忘れかけていた大切な何かを思い出させてくれるような。きっと、心に残り続ける特別な体験が待っているはずだ。
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