カッツ
2025/10/11 15:13
切腹
この映画は、まるで黒澤明が撮ったのではないかと思うほど、圧倒的な迫力を持つ時代劇です。初めて観たとき、その緊張感と重厚な演出に完全に引き込まれました。
物語は、仲代達矢演じる千々岩求女が、婿の無念を晴らすために井伊家の江戸屋敷を訪れ、「切腹したいので庭先を貸してほしい」と申し出ます。家老・斎藤勘解由(三國連太郎)はそれを許しますが、いざ切腹の段となると、求女は婿に何が起きたのかを語り始め、次第に真相が明らかになっていきます。そして物語は、静かな怒りが爆発する壮絶な復讐劇へと展開していきます。
市川海老蔵主演でリメイクされた『一命』もありますが、やはりオリジナルの『切腹』の方が迫力と緊張感において勝っているように感じます。モノクロ映像が作品全体に重厚さと陰影を与えており、物語の悲劇性をより深く印象づけています。
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